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オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

粗悪品の設計思想

 「日本型軽減税率制度」は、今、タコ殴りの状態である。

 私も聞いた当初は、その制度設計の陳腐さに驚いた。

 大手マスコミ、新聞各社の評論も、おおよそ「Boo〜」の様だ。

 日本の官僚はここまでレベルが下がってしまったのか、と嘆く評論家もいる。

 そのような中で、小田嶋隆氏のブログは秀逸・痛快だった。

    ↓

 http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/174784/091000010/

 

 また、高橋洋一氏のオピニオン(考察)も ”さすが” との感がある。

    ↓

 http://diamond.jp/articles/-/78228

 この他にも、様々な方々が様々な立場で意見・所感を述べられている。

 

 何故、財務省の自称 ”優秀” な役人達は、このような「粗悪品」を、たたき台とは言え、世に問うたのであろうか。

 消費税の引き上げの議論をするのであるから、軽減税率についても「辛口」の意見・評論が寄せられそうなことは誰だって分かっている筈。

 その割には、幾らなんでも「何なんだ、これは!」という内容である。

 たがだか、2%分の消費税分を免除するのに、この制度の大袈裟な構えは一体何なのであろうか…

 マイナンバーは、これまで種々の議論を経てようやく実現の芽を見た政府の重要政策であるにもかかわらず、今回の一件に引っ張りだされたことで、注目のヒール役を担わされることになった。

 そもそも「マイナンバー」は、USAで言う「社会保障番号制度導入」がそもそもの目的・役割であり、”国家的ポイント制度”に利用されることなど想定外の筈。

 どさくさに紛れての方便であろうが、幾らなんでも「筋」が悪過ぎる。

 私も正直、「これを考案したヤツは本当のバカではないか」と当初考えていた。

 しかし、先に引用した高橋氏の意見を読んでみて、ふと違う考えが頭に浮かんだ。

 年間、たかだか4000円の減税を受けるために、毎日マイナンバーカードを持参し提示

することは紛れもなくアホらしいことだ。そんなこと、バカバカしくてやってられない。非現実的な提案だ。そんなこと誰だって分かることであり、これについて財務省が本気とは思えない。

 また、この方式実現のために「軽減ポイント蓄積センター」を設立することも無駄の極み。

 今時「天下り先」欲しさに財務省が、国民の非難を承知の上でこのような能天気なアイデアを平然と出すとは到底考え辛い。

 では、この試案にはどのような思惑が込められているのであろうか…

 

 この方式、たかだか2%の免税を受ける目的であれば、個人で年間4000円の減税を確保するのであれば、極めてアホらしい方法論である。8%→10%の税率変更に伴う激変緩和が目的であれば、全くもって「阿呆」の考えることだ。

 

 しかし…

 

 例えば、2年毎に10%の消費税を20%に引き上げる場合の「軽減税率」実現方式として捉えてみれば如何か?

 例えば、10%の消費税率を10年間かけて20%に引き上げる場合の「軽減税率」の実現方法と捉えるのだ。

 これは案外「良い」かも知れない。

 

 マイナンバーカード読み取り端末の設置は、10年間程度のレベルで評価すれば妥当な設備投資と見ることはできないか。「軽減ポイント蓄積センター」は、将来の20%半ばの消費税率実現に向けては必要な機関ではないのか。

 上限設定(減税金額上限)を柔軟に変更出来る現在の素案は、税収確保の調整機能の面でメリットは大きい。

 財務省官僚の真の目的は「消費税の大幅引き上げに向けての調整機能」の導入ではないのだろうか。

 もし、それが「真の狙い」であれば、10〜20年間を見据えた制度設計をしているのであり、必ずしも粗悪品とは言えないかも知れない。

 

 政府の真意は不明だ。

 しかし、私達が単に「バッカじゃねえの」と批判するには、今回の財務省提案は余りにストーリーが単純過ぎる。

 関係者は単なるバカなのであろうか、それとも深慮遠謀の結果なのか…

 私には、まだ分からない。

 しかし、この話、的を射ていたとしても、財務省公明党、国民には切り出せないとは思う。

 

 

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