オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

宙の帽子

 赤経 12h34m59.4s

 赤緯 -11°37'23″

 地球からの距離、およそ2800万光年。

 ここに帽子の形をした銀河が横たわる。その名を「ソンブレロ銀河」という。

 NGC番号は4594、乙女座に位置し視直径はおそよ8'.7×3'.5、明るさは9.0等級。

 かなり暗く小さいが、市販の望遠鏡でも何とか捉えることが出来るらしい。

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 この銀河は、メシエのオリジナルカタログには記載されていないとのこと。1921年になってからメシエカタログにM104として追加された。

 実は、遡ること遥か1781年にメシャンがこの銀河を発見しており、ハーシェルも1784年に「ハーシェル天体」として自らの観測結果を記録している。何故か、メシエ以外の天文学者からは以前から認知されていたということになる。

 

 この銀河の風貌は幻想的である。

 その形がメキシコの方が良く被っている帽子に似ていることからこの名称がついている。

 はっきりとした円盤型の銀河を真横から見ている訳だが、円盤の周囲にはっきりとしたした黒ぶちが見える。これは、暗黒星雲らしい。

 銀河の直径はおそよ5万光年。太陽8000億個に相当する質量を有する。

 25cm口径の望遠鏡を使うと、全体形状、黒ぶちも肉眼で観測出来るそうだ。

 また、銀河の中心部には太陽10億個分の規模のブラックホールがあると噂されている。

 私は子供の頃、M104の写真を見て、天空の果てに浮かぶ銀河をどうしてもこの目で確かめたくなった。

 恐らく、多くの方がそうであると思うが、一度でも「土星」を望遠鏡で見るとその虜になる。そして、土星ほど簡単には直視出来ないが、写真で見ただけで同様にその姿に惹かれるであろう最有力の星雲・銀河のひとつが「ソンブレロ」であると確信する。

 本当に何とも幻想的な姿である。

 このようなものが遥か2800万光年も先に存在するのだ。

 因に、我が銀河系の直径は10万光年と言われている。

 とてもじゃないが、ソンブレロまでは行けそうにない…

 近年の科学技術の発展により、この銀河の詳細な姿が明らかになりつつある。

 これは、ハッブル宇宙望遠鏡が捉えたM104の姿だ。

 

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 随分とこれまでとは印象が違う。

 鍋型銀河ではない…

 お皿型銀河だ。

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 しかし、何とも美しい…

 この銀河は乙女座にある。

 

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 女神様の左手の肘の下辺りに位置する。

 乙女座は全天で2番目に大きい星座と言われているが、南中した際もあまり高く上がらない。 都会では観測しづらい星座と言って良い。

 私も、自分の部屋から乙女座を見ることはほぼ無理だ。だから、ソンブレロも実際に見たことは無い。

 この銀河を見ることは、未だ私の夢・願望の一つとして残っている。

 実際には、さして困難なことではないが、それでも未到達の「夢」として残っている。

 

 さて、どこで、どのような望遠鏡をつかってこの銀河を見てみようか…

 

 

SMAP…

 正月早々から芸能界は賑やかだ。

 DAIGOと北川景子さんの結婚会見はとても爽やかで私も何故か幸せな気分に浸っていた。

 北川さんのことは以前から好感をもっていた。

 心から祝福したいと思う。

 

 一方、ベッキーについては最悪だと思っている。

「これで彼女は終わりだね」

 妻の一言。

 私は恋愛のプロではないので評論は出来ない。しかし、彼女より人生を少し多く生きてきたものとしてこれだけは言える。

 

 彼女は幸せにはなれない。

 

 人から大切なものを奪っておいて、自分が幸せになれる訳が無い。

 あの男は芸名の通り「ゲス」だ。

 音楽の才能と人格に相関関係はない。

 「ゲス」と一緒に生きても良いことは無い。ヤツはきっとベッキーのことも捨てる。元来が「ゲス」なのだ。

 下積み時代を支えた彼女を捨てられるのだ。きっと、これからも女を捨て続ける。たまたま、今ベッキーの傍にいるだけ。

 そんなことも分からない彼女は現在もファンを裏切り続けている。

 恐らく天罰が下るだろう。

 アーメン…

 

 そして…、SMAP

 自分自身について、凄く意外なことが分かった。

 私はこの騒動発覚以来、彼らに関するニュースをずっと追いかけている。気になって仕方がなかった。

 例のスマスマも見た。

・・・・

 そう、私はSMAPのことが好きだったのだ。

 不思議だ。

 取り敢えず、SMAPの空中分解が避けられたことに心底ほっとしている。

 何でだろうか…

 AKB48がどうでもよいのに、何故、SMAPのことが気になるのだろうか。

 

 彼らの偉大さを思い知らされた1週間だった。

 おっさんなのに…

 

 

近くなったイルミネーション

 年末に彼女に誘われてイルミネーションを見に行った。「さがみ湖イルミニオン」だ。

 場所は、以前は「相模湖ピクニックランド」と言っていたところであるが、今は「さがみ湖プレジャーフォレスト」と呼ぶらしい。随分とカッコいい名称になった。

 私は、イルミネーションは見てみたかったが、正直に言って相模湖まで行くのがおっくうだった。

 私の自宅からは、厚木経由で412号線を延々と走ることになる。

 この道は、以前、中央道沿いのスキー場に行くのによく使ったが、中々大変な道程である。

 「やれやれ、年末に大層なことだ。それも夜に…」

 と、ふと気がついた。

 「圏央道を使えばいいんじゃないか?中央道に接続しているのだから、その手前にICがあるかもしれない…」

 そう考え、改めて地図を見てみた。

「あった!」相模原ICである。

 海老名ICから相模原ICまでは19Km。そこから413号線経由で412号線に入れる。

 これは便利だ!

 私達は圏央道経由で相模湖を目指すことにした。

 

 Google Mapの経路検索では自宅からプレジャーフォレストまでは、50分程度の道程となっていたが、実際の所要時間も同様であった。

 これは以前と比べると凄まじく速い。めちゃくちゃ便利である。およそ1/2以下の所要時間だ。圧倒的だ。

 ただし、一つだけ注意が必要だ。

 相模原IC付近は、道路整備中だ。私の場合、VW UP!のナビが道路状況にフィットしていなくて、ICを出た後の経路を正しく表示出来なかった(圏央道自体を表示出来ないのでやむを得ない)。往路は、少々遠回りをしてしまった。

 ナビが使えない場合は、相模原ICを出た後、標識に従って「413号」の方向へ行けば良い。一つ目の大きな交差点を右折だ。

 私の場合「相模湖」の方向(直進)に行ったため、多少遠回りしたようだ。

 

 私達は、現地に4時過ぎには到着していたが、駐車場は既に相当の混雑具合で、第4駐車場に案内された。

 ここから入場口までは相当距離がある。私達は坂道を歩くはめになった。時間に余裕があるのであれば、早めの来場をお勧めする。

 5時に園内のイルミネーションが一斉に点灯されるのであるが、この瞬間は圧巻だ。

 一瞬、場内から歓声が上がった。

 

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 頂上にはリフトに乗って移動することになる。

 しかし、このリフト、すこぶる混雑する。私達の場合は1.5時間並んだ。

 頂上には観覧車があり、街を見下ろせる。

 しかし、ここでも30分待ちだ。

 園内は相当混雑しているので、待ち行列ができることはある程度やむを得ない。それ故に、しっかりと防寒着を用意することをお勧めする。この時期の現地は極めて「寒い」。

 

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 ↑

頂上の観覧車

 

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 ↑

下りのリフトからの景色。相当に寒い

 

 あと、言っても仕方の無いことであるが園内の食事は高価でプアだ。期待しないこと。

 帰りは何故か臨時出口に案内される。この道、相当に荒れており難儀だ。RV車以外の運転は厳に注意する必要がある。さらには園の裏側に出る。そして誘導員に「左折しろ」と言われる。

 言う通りにすると、意に反して相模湖方面に行ってしまう。帰路は要注意だ。

 

 いずれにせよ、横浜方面からは、相模湖はずっと近くなった。

 圏央道のおかげである。

 イルミネーションは、4月10日まで開催されているとのこと。

 お勧めである。

新年の湘南

 新年が明けた。

 とても穏やかで晴天の正月である。

 江ノ島もこの通り。

 

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 湘南海岸からは富士山と伊豆半島が見えた。

 この数年間で一番見晴らしの良い正月ではないだろうか。

 

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 今年はカレンダーの関係で短めの年末年始になった。明日が仕事始めの方も多いと思う。

 頑張りまっしょい。

缶チューハイを飲みながら

 私は日頃、Takaraの缶チューハイ(レモン)を飲んでいる。

 以前(数ヶ月前)、近所のとある酒屋にこの缶チューハイを箱買いしに行ったことがある。その際は、たまたま(?)「商品を切らしており店頭に配列したものしかない」と断られた。

 その時は仕方ないので何も買わずに引き返し、その帰りにイトーヨーカドーで6缶を購入し帰宅した。

 それ以降、近所のイトーヨーカドーで6缶ずつちびちびと購入するスタイルになり、その酒屋には当分行っていなかった。

 今朝、年末のお酒をストックするため、久しぶりにその酒屋に行ってみた。

 

ゆず「Takaraの缶チューハイを1箱下さい」

店員さん「少々お待ち下さい。倉庫から出してきますので」

しばらく経って、

店員さん「申し訳ございません。あいにく商品を切らしております。店頭にあるものが全てでございます」

ゆず「・・・」

 

 私はまたしても何も買わずに店を出た。

「この店に来ることは金輪際無いな…」

 この店は在庫管理、サプライチェーンマネジメント(SCM)が全く出来ていない。

 鉛筆を切らしている文房具屋と同じだ。パンの無いパン屋。坊主のいないお寺。看護師はいるが医者のいない病院…etc

 しかし、この年末、書き入れ時に在庫を切らしているとは…

 

 帰り道にやはりイトーヨーカドーに寄ってTakaraの缶チューハイを9缶買った。

 因にこの缶チューハイ(500mℓ)の値段は、酒屋150円、イトーヨーカドー149円である。

 この酒屋に来年は来るであろうが、10年後の未来は無いと思う。

 スーパーに全ての面で劣る酒屋も珍しい。

 年の瀬に珍しい体験をしたものだ。

 

私的ニュース10分野

 年末なので今年1年を振り返ってみた。完全私的ニュース。

 

①大阪

 事情があって帰阪を繰り返した1年だった。滞在日数を数えると約1ヵ月になる。その移動手段の殆どはVW UP!を使った。新東名、新名神高速道路の利用も常連になり、利用に相当慣れることができた。

 来年2月には、新東名は豊田東ICまで伸延されるとのこと。三ヶ日IC付近の渋滞緩和が期待できることから、走り易さ・利便性向上は間違いと思う。

 大阪で頻繁に食したのは「王将」の餃子とお好み焼き。それから、うどん。

 やはり、うどんは関西に限る。

 しかし、チンピラのような輩が多い大阪にはウンザリしており、もう戻ることは無い。一時滞在するだけ。

 良い所であるがキライだ。

 

②車

 VW UP!がトラブル連発だった。

 VW本社もディーゼルエンジンの不正プログラム問題で大騒動。経営へのダメージは計り知れない。

 驕れるVWも久しからず。盛者必衰のことわり…

 しかし、UP!は乗り続けるつもりだ。

 その後のことはまだ分からない。恐らく、GOLFを買うことはもう無いと思う。

 彼女は「もう、国産車には乗らないから何かVW以外のものを考えておいて」と言っている。

 そう言われてもねぇ

 

③企業

 不正はVWだけではなかった。グレーゾンを悪用した不正会計や工事にかかわる書類改ざんが発覚した。

 東芝粉飾決算は酷い犯罪的行為であった。歴代3社長は告発されたが、これは当然であろう。

 本人達に罪の意識は感じられない。のうのうとしている。

 そうなると気の毒なのは社員の人達だ。

 社員は会社を選べても社長を選べない。

 そして、いかなる世間の批判を受けようとも、生活のためにそこで働き続けなければならない。会社への愛着も強いであろう。

 その彼らの愛社精神を踏みにじったのが最高経営責任者なのだから救いが無い。

 「見栄」で会社経営をやっていたあの3人は、きっと地獄に堕ちる。そうあるべきだ。

 

④スポーツ

 ラグビーW杯の日本代表の活躍で一躍ブームがきたか?と思ったが、実際はそうでもないらしい。国内試合にはあまり観客は入っていないとのこと。

 やはり「にわか」ファンが多いのか…

 W杯予選リーグで3勝して決勝に行けなかったのは史上初とか言っていたが、それは「南ア」戦の後、スコットランドにボロ負けしたからだ。

 ”快挙” といっても差し引きゼロ、と考えるのは私だけであろうか?

 皆、一体何に騒いでいるんだろう。

 五郎丸がカッコ良いのは認める。 

 

⑤芸能

 紅白歌合戦がつまらない理由については既に書いた。

 しかし、今回の出場歌手と曲目を見て、いよいよ紅白歌合戦は「自爆」したな、と思った。

 ベテラン歌手は、皆、唄う歌が無いらしい。若手グループのメドレーもくだらない。

 和田アキ子を出すくらいならKalafinaに声をかければいい。

 そして、男女ともトリの曲目が酷い。これでは、毎年、お盆にやっている「懐かしのメロディ」とどこが違うのだ?

 こんな内容では私でも見ない。

 企画サイドは、これを「面白い」と本当に考えているのだろうか?

 昭和の会社慰安旅行での新入社員出し物と殆ど変わらない。

 マジで「バカ丸出し」である。

 

⑥安全保障

 日本国憲法第9条は、事実上破棄された。

 しかし、驚くべきことにそれを強行した内閣の支持率は暴落していない。

 世間の人達は、思ったよりも防衛軍の「戦闘行為」には寛容らしい。

 次年度予算で防衛費は当然のことながら上積みされている。

 繰り返し私は主張するが、この決定プロセスは間違っていると思う。

 「無理が通れば道理は引っ込む

 これに味をしめ乱用するのが ”政治家” というものだ。

 私は彼らを信用していない。 

 

⑦IT

 Windows10がリリースされた。

 我が家の2台のノートPCは、私が気がついたらWindows10にVerUPされた後であった。私は手を触れてはいない。

 家族の人達は、OSのVerUPなぞ、過去にやったことは無い。しかし、VerUPは知らない間に終わっていた。

 彼女に事情を聞くと「何かPCの立ち上がりが遅いなぁ〜と思っていたけど、何かあったの?」と言っていた。

 「OSがWindows8からWindows10にVerUPされてるじゃん!」

 「?、意味分かんない」

 Windows10、恐るべし…

 

⑧戦争

  フランス:パリで起きたテロには驚いた。

 ISのクレイジーな蛮行を見て、養老孟司氏の「バカの壁」を思い出した。

 彼らの思想・思考は「バカ」では表現しきれない。

 常軌を逸しており、行動原理を理論的に説明することは私には到底不可能だ。

 「人類共通の敵」とは、これまでの歴史・経緯を考慮すると言い過ぎかも知れない。

 組織としては殲滅するしかないと思うが、現実はそれも短期的には困難だろう。

 私達は、「姿なき敵」と戦闘状態にあると言わざるを得ない。

 

⑨地学

  箱根の警戒レベルは1に引き下げられた。

 しかし、大湧谷辺りは未だ立ち入り禁止とのこと。

 本件、我が家への影響はあった。

 先日「長谷寺」に行ったことをブログに書いたが、本来、紅葉は箱根に見に行くつもりであった。家族で、天山温泉と紅葉と蕎麦をセットで楽しむつもりであった。

 いつもは意識していないが、いざというときに「箱根に行けない」と言われると結構辛い。

 箱根のありがたみを実感した年でもあった。

 

⑩恋愛

 娘の彼氏を紹介された。

 好青年で良かった。

  でも、寂しくなる…

 

 来年が良い年でありますように。

 

 

 

2016年の星空

 今年も残りわずかとなった。

 振り返れば色々とあった1年であるが、何とか全う出来たことをありがたく思うべきであろう。そして、そう思うような年齢になった。

 来年がどのような年になるのか、私には占う術もない。しかし、少なくとも星空に関しては多少のことは分かる。

 

 2016年は「火星」に注目だ。

 火星は元旦の夜には乙女座にいる。しかし、1月半ばには天秤座に移動している。そして3月には蠍座、4月には蛇遣い座、5月には逆行して蠍座に戻り、そこから天秤座、蠍座と辿って行く。

 何とも忙しいことであるが、来年は彼女の行方に注目だ。

 人類は、いずれ近い将来、彼女の元に行くことになる。

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 一方、他の惑星はどうしているのか。

 スーパースター「土星」は、元旦の頃は蛇遣い座(16時38分)にいる。それから緩やかに移動し、来年の大晦日の頃には蠍座にいる。

 ジュピターは、獅子座から乙女座に移動する1年である。

 つまり、来年は火星、木星土星が一度に見られる年なのだ。

 5月あたりの真夜中に空を見上げると下記のような景色が見られる。

 

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 来年が楽しみだ。

 良い年でありますように・・・

筋が悪い話

 旧日本海軍に「扶桑」という戦艦があった。

 名前は申し分ない。しかし、「筋が悪い」設計の艦だった。

 開戦時の主要スペックは下記の通り。

基準排水量 34,700t

全長 212.75m

水線幅 30.64m

速力 24.7kt

主砲 35.6cm砲連装6基:12門

幅砲 15.2mm砲単装14基

 

 重武装の大型艦である。

 何の「筋が悪い」のかというと、24.7ktの速力だ。鈍足。

 この戦艦は、1915年に竣工したものであるから、開戦時においては既に艦齢26年であるとは言え、あまりに速力が遅い。遅過ぎる。

 大口径砲を12門も備えることは素晴らしいのであるが、この低速で果たしてUSA相手にどのような戦い方が出来るというのだろう。

 30年以上前にあった日本海海戦のシチュエーションでしか使えない戦闘艦だ。太平洋戦争で日米双方が運用した航空母艦の護衛用には到底当てられない。

 この艦は、何度かの大規模な改装を経ているが、速力だけは如何とも向上し難かった。新造時22.5kt→改装後24.7kt、である。

 その理由は、200m程度の船体に35.6cm連装砲を6基も搭載したことだ。余りに攻撃力重視の設計であったことから、十分な機関出力が捻出出来なかったのだ。

 外観を見れば分かるように、この艦は主砲塔6基のうちの2基が船体中央部に、それも煙突を挟んで配置してある。

 これでは、エンジンを搭載する場所がない。

 現にこの艦の機関出力は極めて貧弱で75,000馬力だった。金剛型が136,000馬力であったのに。

 スタイルも非常に不安定だ。とてもスマートとは言えない(好みにもよるが)。

 因に本艦を低速と蔑んでいるが、長門型、伊勢型も似たような性能であり、当時の戦艦は押し並べて低速であった。要は、攻撃力、防御力と運用性のバランスがとれていないと言うこと。

 この艦は、実戦での使い道が無いため、開戦後長く瀬戸内海に繋がれていたが、1944年のレイテ海戦で最後の花道を飾っている。場所はスリガオ海峡。待ち望んだUSA艦隊との艦隊決戦であった。

 しかし、この時の相手側が用いた戦術の中心は、魚雷艇であったと聞く。砲戦もあった様であるが、多数の小艦艇を相手に近接戦、魚雷戦を挑まれたようだ。

 つくづく「筋の悪い」話だ。

 

 ・・・・

 

 「軽減税率」の与党協議は続いているらしい。

 自称「平和の党」が頑強に自己主張を押し通そうとしている様だ。

 前回総選挙で代表自らが「軽減税率〜、軽減税率〜」と一つ覚えにアピールしていたのだから、引くに引けないのは理解出来る。

 しかし、この政策「筋が悪い」。

 低所得層への配慮、救済処置というのが大義名分であろうが、お金持ちも「食料品」は購入するので恩恵は広く、隙間無く拡散される。

 それに、財源が捻出出来ていない。たった4000億円を確保するのに、他の社会保障制度を削ったりしている。

 食料品の多くを対象とするには、さらに4000億円程度の財源が必要とのこと。

 しかし何度も言うが「筋が悪い」。

 スーパーで秋刀魚を買った際に216円払うか、210円を払うかで揉めているのだ。

 その差、6円。

 消費税を品目によって、8%と10%で使い分けるなんてナンセンスだ。これが食料品であるか無いかとで、5%と20%の違いがあるのであれば、まだ政策的意義も理解出来なくもない。

 あの与党様の幹部連中はバッカじゃないか、と思っている。

 誰のための、何のための制度なのか、為政者達は今一度冷静に考えた方が良い。

 

 それにしても4000億円の捻出に苦労するとは、貧乏な国になったものだ。

 つい先日、税収は1.7兆円程度上振れするとのニュースを聞いたばかりだ。

 COP21では、今後5年間で途上国に1.3兆円規模の経済援助を行うとABEが得意顔で表明していた。

 桁違いの対外経済援助を表明しながら、4000億円の財源が国内には回せないらしい。何だかアホみたいな話だ。

 財務省のHPを見ると、この国の税収の状況は詳しく分かる。

 平成27年度の基礎的財政支出は72.9兆円。それに対し上振れした結果の税収は56兆円程度。

 収支的にはまだ、72.9-56=16.9兆円の不足だ。消費税に換算すると10%も足りない。金欠甚だしい。

 27年度予算の中で「経済協力費」は5,064億円となっている。COP21での経済協力は恐らくこの中から捻出されるのであろう。

 それとこれは違うと言うことで、軽減税率の財源を「経済協力費」や「防衛費」(約5兆円)に求めることは、実際には許されないのであろう。

 ならば、どうするのか?

 やはりタバコか。

 1箱あたり50円程度引き上げれば、財源は確保出来そうだ。

 ただし、その値段は430円→480円程度になる。

 1箱1000円までは、まだまだ余裕がある。因に本当に「愛煙」しているのであれば文句は無い筈だし、嫌なら止めれば良い。このことに耳を傾ける関係者は皆無であろう。

 食料品の中では、恐らくお酒が狙いやすい。財源は1.3兆円程度。しかし、30%レベルの引き上げはさすがに厳しそうだ。

 であれば、酒とタバコ双方の税率引き上げで、生鮮食料品の軽減税率財源を確保するのは如何か。

 これ…、意外と筋は悪くないかも知れない。

 

 

 

長谷の紅葉

 昨日、紅葉を見に鎌倉に行ってきた。

 場所は、彼女達の要望を取り入れ「長谷寺」。

 3連休の最終日であり、混雑を避けるため朝一番で車を走らせた。

 長谷寺の開門は早い。8時頃から周辺駐車場も営業している。

 

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 鎌倉全体にも言えることであるが、長谷寺は四季を通じて見所がある。

 紅葉も美しいが、彼女はあじさいの咲く梅雨の頃が一番好きだといっている。

 鎌倉は、雨でも雪でも素敵だ。

 

 

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 ご覧の通り、長谷はまだ紅葉が始まったばかりのようだった。

 もう、11月末なのに。今年は遅いのだろうか…

 

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 海が見下ろせるお寺というのも珍しいのではないだろうか。

 私は、この風景が大層気に入っている。

 

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 恐らく、長谷は(来週)12月から紅葉の旬を迎えることになる。

 ついこの間から、夜のライトアップは始まっている。

 これから、鎌倉はさらに美しくなる…

 

 

生臭い赤ワイン

 今日は、ボジョレー・ヌーボーの解禁日だとか。

 日本で毎年のように話題になる理由の一つに、時差の関係で日本が世界で一番早く解禁日を迎えることがあるらしい。

 しかし、時差といっても何日もある訳でなし、ほんの数時間である。

 世界で一番早く、まるで生煮えのようなワインを飲んだことを、一体誰に自慢するつもりなのか、夜中から並んでいる人に一度聞いてみたいと思っている。

 作っている産地の人が一番を競うのは、ゲームのようなものであろうが。

 

 ヌーボーのいただけないのは、何と言っても「味」と「値段」の関係である。

 私は、あのヌルッとした味のワインを「フルーティ」といって、3000円を出費する感覚が分からない。

 成城石井や横浜そごう、元町ユニオンのワインコーナーから、同じ値段で珠玉の一品を見つけることの方が楽しいと思うのであるが…

 毎年、解禁日にボジョレーを飲んで、その年のワインの出来を占っている人がいるのであれば、それはマニアであり、相当にセレブな趣味だ。

  そのような人は、恐らく、自宅か行きつけの店にワインカーブを持っていらっしゃるのだと推測する。それはそれで、リスペクトすべき嗜好・趣味だとは思う。

 ただ、ボジョレーの味に焦がれて、今日を持ち望む人達がいるのであれば驚きだ。

 苦くない赤ワイン、長く熟成させることの無い赤ワインが存在することは当然あり得るが、それを「フルーティ」の一言で評価していることは問題だと感じている。そして、それが3000円もするのだ。そのことが、当たり前のように業界は捉えているようだ。

 それは、私には異常に見える。

 古酒の1年ものの価値を論じているようだ。

 

 今日一日、ただの生臭い赤ワインのために街は賑わう。

 ワイン好きの私にとっては、忌々しい一日だ。

 

 

 

 

 

 

パートナーの必須条件

 先日、ネットで面白い記事を読んだ。

 タイトルは、「実は意味ない!夫選びの条件TOP10」

 ソースは、R25らしい。

 その内容を引用する。

 

■結婚後、実は気にならなくなった「夫選びの条件」TOP10
(17の選択肢から1~3位まで選んでもらい、1位を3pt、2位を2pt、3位を1ptとして集計 協力/アイリサーチ)

1位 顔(好みの顔ではない) 120pt
2位 身長(希望の身長の高さではない) 108pt
3位 趣味(一緒の趣味ではない) 105pt
4位 生活時間帯(家にいる時間帯が違う) 104pt
5位 体型(体重など好みの体型ではない) 100pt
6位 学歴(求めていた学歴以上ではない) 97pt
7位 服装(好みの服装ではない) 83pt
8位 年齢(年齢が希望していた年齢と違う) 68pt
9位 食べ物の好み(好き嫌いが違う) 65pt
10位 家事のレベル(あまり家事をしない) 64pt

※番外
11位 収入(希望の収入レベルには達していない) 57pt
12位 親との相性(自分の両親と仲良くできそうか) 55pt

 

 どうだろうか?

 私の経験では、(男の目から見ても)当たっていると思う。

 「何で気にならないのか」の理由がとても面白いので、まだ見ていない方は、ソース記事を参照することをお勧めする。

 よく女性の話題にあがる身長(2位)は、「いつも隣に立っている訳ではないから」だった(爆笑)。当たり前と言えば、当たり前のことばかり。

 これを見てみると、重要な条件として残っているであろう項目はこれくらいしかない。

 「人柄」だ。

 結局、パートナーといっても所詮は他人。

 その2人が永らく一緒に寄り添うための絶対条件は、お互いを尊重しつつ、大切に想いやり、それを行動に結びつけることができる人格・性格・人間性を双方が持ち合わせていること、これに尽きるのではないだろうか。

 先日、彼女と大喧嘩をし、その後、心から謝罪した今の私が言えること。

 そして、今、信じる真実である。

不機嫌ワーゲン

 VWを取り巻く疑惑は、まだ払拭されていない。

 問題は、ディーゼルエンジンの排ガスだけではなく、ガソリンエンジンにまで拡大している。

 先進技術を誇る同社が喪失したブランド価値、信頼は計り知れない。

 ユーザーである私にも不機嫌なトラブルが続いている。

 7〜8月の間、UP!はトランスミッションのトラブルでほぼ1ヵ月間近くディーラーの整備工場にいた。原因は、クラッチ、アクチュエータの障害だ。この2つのアッセンブリは結果として交換したので、ミッションを除いて総取り替えとなった。

 営業に国内・国外に同様の事例はあるのか確認したところ、「どうやら少なからず同類の障害例があるようです」とのこと。

 UP!は初期型なので初期不良としてやむを得ない、と諦めている。

 営業は、3年目の車検(色々な補償が切れる)が迫っているがディーラーとして「トランスミッションのトラブルについては、補償期間後であっても対応する」と言っていた。

 10月に車検を通したが、その後、トランスミッションのトラブルはない。

 ところが、先週、高速道路上(PA内)でパンクに遭った。

 パンクはあまり経験がない。それも、まだ3年しか乗っていないタイヤだ。

 タイヤはブリヂストン製なので、VWの責任とは言えない。しかし、私は不機嫌になった。閉口した。

 「ついていない」

 「やってられない…」

 仕方ないのでパンク対応のため、「VW緊急アシスタンス」に連絡をとった。

 3年車検後で殆どの補償サービスが切れていたので、何をやっても有償と言われた。

 近くにあるVW販売店も営業時間外なので緊急対応は出来ない。レッカーを派遣すると数万円の移動費がかかる。その日どころか、2〜3日、UP!はお蔵入りになる運命だった。

 状況を救ったのは、損保ジャパンのロードサービスだった。

 ICの傍にあるガソリンスタンド(GS)で無事タイヤ交換をすることができた。

 対応可能なGSを探してくれたのは「VW緊急アシスタンス」、無償でレッカー車を出してくれたのが損保ジャパン。

 絶望的な状況であったが、「VW緊急アシスタンス」のスタッフは私の相談に親身に対応してくれた。結果として、無事目的地に到着はできたが、酷い目にあった。

 不機嫌ワーゲンである。

 

 私は正直、トラブルに見舞われた際、UP!を売り払ってしまおうか、と考えた。

 しかし、冷静になった今、もうしばらく乗り続けようと思い直している。

 UP!は今トラブル続きであるが、VWの顧客対応自身は悪くはない。

 VWが何か悪さをした訳でも無い。因に、トラブったクラッチ/アクチュエーターはBOSCH製だ。例のソフトウェアを作った会社。

 悪いことが続くこともある。

 今、私とVWをつないでいるのは、彼らの「顧客対応力」だ。

 

 

 

 

格差の現実に生きる私たち

 小学生6年生の頃、クラスルームで「将来の夢」を皆の前で語る時があった。

 自分が何を言ったかは覚えていない。しかし、とあるクラスメイトが言った内容を今でも覚えている。

 「僕は、プロゴルファーになって、試合で360ヤードのショットを打つことです」

 当時の私は、ゴルフのことは何も知らなかった。しかし、彼が目標としているのが「ジャンボ尾崎」であることだけは何故か分かった。

 私は日曜日の午後に、TVでゴルフ観戦をする小学生ではない。しかし、尾崎将司が「飛ばし屋」であることくらいは知っていた。

 しかし、当時の小学生で「プロゴルファーが夢」と明確に表明する者がいたことも珍しい。

 一般には、当時の子供の夢は「プロ野球選手」だ。「アイドルになりたい」などというハッピーでふざけた輩も皆無だった。

 当時の私に「360ヤードはないだろう…」というツッコミは無理だった。そんな知識も経験も無かった。

 

 それから3年たったある時、高校の遠足のレクリェーションの際、ちょっとしたハプニングがあった。

 私は、友人と2人でちょっとしたギター演奏とフォークソングを皆の前で披露した。

 とあるクラスメートはトランペットの演奏を披露する予定だったらしいのであるが、当日、出番の寸前で焦っていた。

 「どうしたの?」

 「無いんだ」

 「何が?」

 「マウスピース」

 「・・・?」

 彼は、マウスピースを持ってくるのを忘れてしまったため、結局、トランペットのパフォーマンスを披露出来なかった。

 当時の私には、「マウスピース」の意味も必要性も理解出来なかった。

 今考えると、彼はいいところの坊ちゃん(御曹司)だった。所属するクラブはテニス部。

 だから、趣味も「トランペット」

 因に、彼は坊ちゃんだったけど、すごく良いヤツだった。

 それから、30年後…

 

 私は、とある若い女性と知り合った。

 彼女は、自分の考えを明るくハキハキと主張した。頭の回転もすこぶる良い。

 彼女は、仲間との歓迎会でサックスの演奏を披露してくれた。素晴らしかった。

 彼女は帰国子女だった。両親はカルフォルニアに在住していると言っていた。

 凄く優秀で良い子だった。

 日本企業への就職にあたって、最初にM菱重工の面接を受けたが落ちたと言っていた。

 結果として、私のような凡庸な人間と仕事をすることになったのであるが、私は運命に感謝し、一方で某財閥企業の見る目の無さを感じた。

 

 小学生の頃の思い出にはおまけがある。

 何かでクラス一番の成績をとった時、「今日は良い出来だったので家に帰ったらすき焼きだ」と私が言ったら、担任教師が「ゆずの家ではめでたいことがあったら、すき焼きを食べるのか?」と言ったのだ。

 私は何故か凄く恥ずかしい気分になり、その後何も言えなかった。自分の家庭が何だか貧しく不憫に見られたと受け止めたからだ。

 しかし、それから30年以上経った時、関西(西日本)にはそのような習慣があることを知った。

 私はまんざら、おかしなことを言った訳でもなかったが、自身にとって、あまり愉快な記憶ではない。

 

 これらのちょっとした記憶の端々に潜むのは、各人の家庭における経済的格差の存在だ。

 出自、育った家庭環境の現実もさりげなく、しかし明確に示している。この事実は、隠しようがないし、隠す必要性も無い。

 格差は明確に存在するのだ。そして、今後も無くならない。当たり前だ。

 戦後、日本は豊かになった。平成になり、世の中は抜群に便利になった。

 しかし、経済格差とそれがもたらす様々な課題は決して無くなることはない。

 世界各地で起きている戦争・紛争・テロに、この ”格差” が関係していることも間違いない。

 失うものの無い人間の破滅的行動ほど、恐ろしいものはない。

 

 この星に生きる全ての人の目標が「幸せになろう」であればいいのに…

 今ほど、STAR TREKに出てくるレプリケータ(Replicator)が欲しいと思った時はない。

 

 

 

 

 

新監督にエールを

 松井秀喜ジャイアンツを去って以降、野球に興味は無くなったと以前書いた。

 しかし、今回改めて野球に関する話題でブログを更新しようと思った。

 それは、サプライズがあったからだ。

 ドラフトのことではない。

 賭博のことでもない。

 阪神タイガースのアニキのことでもない。

 読売巨人軍の新監督に高橋由伸が就任するとのニュースが入ったからだ。

 これには、本当に驚いた。そして、野球ファンにとってはグッドニュースであろうと感じた。いや、アンチ巨人の方もいるので特定球団の監督人事のことを言いたいのではない。

 一球団にとってではなく、球界にとって、良い意味、価値をもたらすのではないか、ということ。

 彼はまだ40歳。いやもう40歳。

 そして、現役続行を当然のこととして考えていたのが彼らしい。

 しかし、彼はフロントの”オファー”を受けた。それは同時に希代のスラッガーの引退を意味する。

 彼は、受け方も潔い。ウダウダ揉めない。

 彼は、絶対に監督ではなく”スラッガー”として生きたかった筈だ。しかし、ほぼ即答に近い形で受諾した。

 敢えて言う。

 「男らしく」だ。

 フロントが彼を新監督に推す理由の一つはこの人格であろう。

 彼はまだ若く、兼任コーチの経験はあるがマネジメントについては未知数だ。

 しかし、この一件を見て明らかなように、彼には人徳が感じられる。もちろん、それは現役時代の彼のプレースタイルに如実に現れていた。

 あのファイト溢れるプレーに魅了された人は多い筈だ。

 彼は2000本安打を達成していないし、本塁打を444本以上打っている訳では無い。

 しかし、少なくとも巨人ファンは彼がその資質を持っていると信じている筈だ。

 これは、矛盾している表現になるが、彼は”高橋由伸”であったからこそ、2000本安打が達成出来なかった。長嶋以上の本塁打が打てなかった。

 しかし、巨人ファンはその ”未達成:高橋由伸” が大好きな筈だ。

 何故なら、彼が大記録を持たない理由が「怪我を恐れない気合い溢れる全力プレー」にあったからだ。

 残念なことに、彼はこれまで欠場がしばしばあった。

 その多くの理由は不振ではなく、負傷だ。特に、守備におけるものが多い印象を持つ。

 彼は外野手であるが、フェンス際のプレーが素晴らしい。壁を全く恐れない。

 何度もフェンスに激突して負傷しているのに、そのプレースタイルは全くと言っていいほど変わらなかった。私はそんな彼にプロフェッショナルとしての敬意を感じていた。

 もっと、無難に守備をこなしていれば間違いなく大記録の一つや二つは成し遂げていると信ずる。これは贔屓目ではない。彼の実力で40歳までプレーが継続出来ていれば誰でも考えることだ。

 だが、彼は「無難な守備」をやることは断固としてなかった。そして、イチローほどの神業的な守備技術を持っていた訳でもなかった。だからその代償として幾多の負傷を被った。

 しかし、彼は怪我から復帰したその後も恐れること無く、100%の力を出し尽くしてプレーしている。

 私は、一野球ファンとして彼のプレースタイルを尊敬している。あのような選手は滅多に現出するものではない。

 同じ雰囲気を感じたのはダイエー(現SOFT BANK)から巨人に一時移籍していた大久保くらいだ(JAPANの監督)。

 そんな彼は、現役への拘りを吹っ切り監督就任を受諾した。

 球界最年少の監督とのこと。

 それもいい。

 さて、どんな采配を見せてくれるのだろうか。

 楽しみだ。

 来シーズンは、開幕戦くらいは巨人戦を見てみようかな、と思っている。

 これが先に言った「球界にとっては良い話題」の根拠。

 彼には求心力がある。そして、ライバル球団には”アニキ”が監督就任するとのこと。あちらもいいじゃん。

 巨人・阪神戦が楽しみになってきた。

 

 新監督のスラッガーとしての評価には言及しない。ただ、彼を評した堀内恒夫の言葉を紹介しておく。

 高橋由伸が打撃不振であった時期の言葉…

 「どうした? 天才…」

 

 余談であるが、監督候補に江川卓を指摘してたマスコミ関係者がいる。

 本気で言っていたのであればアホだ。あり得ない。

 恐らくその根拠は前監督との親交であろうが、巨人が近年そのような人事を行った事例を私は知らない。

 江川氏の知見は否定しないが、直近でのコーチ経験もない者をいきなり監督招聘するようなことを巨人はしない。阪神はあり得るが。

 江川と高橋では、現役選手から見た時の ”求心力” ”権威” ”訴求力” が全くと言っていいほど違う。

 これは、監督としての資質や知識の問題ではない。

 選手が ”本気” になるかどうかの問題なのだ。

 恐らく、彼のヨタ記事を書いた者はスポーツ経験が全くないか、話題を作りたいが故の確信犯だ。全く笑わせてくれる。

 

 球界の新進気鋭のリーダーの采配に期待したい。

 久しぶりの明るいニュースだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

業界の常識

 「自分たちにとっての常識は、世間にとっては非常識だ」

 この言葉は社会人になって10年ほど経った頃、先輩から教えられたものだ。

 自社の文化や業界常識という、狭い空間や枠組み、既成概念だけで物事を捉えていてはイノベーションは生まれない、よって、事業継続もあり得ない、というような会話の中から派生した言葉だった…

 

 私達から見ると、非常識、あるいは犯罪的、とも思えるようなことが平気で行われる例を最近幾つか目にした。

 

・食品の賞味期限の偽造

・食材の偽装表示

・他者(社)デザインのコピー(パクリ)

 等々

 

 そして、今回のVWの排ガス不正…

 名門とも言えるVWが何故このようなバカなことをしたのか、事件を聞いた当初は全く理解出来なかった。

 わざわざ、排ガス試験をクリアするためだけにエンジン制御プログラムを切り替えるなど、技術のある会社がやることではない。

 バレたときの影響を考慮すれば、全くもって破滅的行為だ。このような愚劣なことを確信的に行うこと自体が理解出来なかった。

 しかし、その後の報道や、専門家の解説を聞いていると、事実はそんなに単純なことではないようだ。

 VWが何故このような行為に走ったかについての技術的な考察は下記の記事がとても参考になった。

 

VW排ガス不正 ディーゼルは終わりなのか? 日本は大丈夫なのか? (THE PAGE) - Yahoo!ニュース

 

 つまり、多かれ少なかれ、皆がやっていることだ…と、受け止めることも出来る説明内容だ。

 車の燃費や排ガス量の測定レギュレーションは、メーカーにとっては周知のことであるので、それに合わせた対策を一定の範囲でとること自体は、どこの会社でもやっていること。

 恐らく、自動車業界にとっては、今回の一件は、「VWはやり過ぎた」との認識なのかも知れない。

 つまり、業界にとっては、国毎に定められた規制をクリアするための技巧(全能的技術ではなく)は ”常識” なのかもしれない。

 私達一般人にとっては「不正」に見えても、業界人にとっては「当たり前で、程度の問題」という領域が存在するということ。

 その点では、東芝の粉飾会計も、技巧的にはどの製造業でも実行は可能であり、事実、グレーゾーンの範疇で行われていると想像している。

 つくづく、「業界の常識」とは困ったものだ。

 VWは、当面、全世界からのバッシングを受けるであろうし、業績への打撃は深刻なものになると予想する。

 

 私がまだ学生の頃、姉の彼氏が(初代)GOLFに乗っていた。

 そのせいか、ずっと以前からVWは知っていた。

 いつか、GOLFも買おうと考えていた。

 かねてからのVWファンであり、ユーザー(UP!)でもある私にとって、今回の事件は本当に残念。

 以前も書いたが、私はVWディーゼルを評価していた。しかし、今回の一件でそれも修正せざるを得ない。

 技術者にとっての「常識」には、とんでもない落とし穴が潜んでいる。