東京スカイツリーに足りないもの
東京スカイツリーがオープンした。
これまで何度か近くで見た事はあるが、それはもう凄い迫力だ。
今は混んでいるので、人出の少なくなった頃を狙って登ってみようと思っている(何時になることやら・・・)。
でも、このタワー、個人的には何か物足りないものを建設中から感じていた。
デザインなんだけどね。
正直、完成予想図を見た時に、「何じゃ、こりゃ〜!」と思った。
なんちゅう不細工な塔だ(ゴメンナサイ)!、こんな、どでかい不細工なもの、本当に建てるんかいな、それも、あの下町に、と。
建設中(ほぼ完成間近)に傍で見た時には、「へぇ〜、意外とすごいなぁ(かっちょいいじゃん)」と思っていた。
総武線の電車の中から見ると、ウォッ!と思う事も事実。でも、何か足りないんだよなぁ〜・・・
最近何となくその理由が分かってきた。
三田界隈を歩いていると目に入ってくるこれを見て合点が行った ↓
今や、日本一の座を奪われた鉄塔であるが、私はこれを見るのが好きだ。
理由はエレガントだから。
美しいんですよ、とにかく。
何時見てもドキッ!とする。
何でだろうか。単なる人口の構造物なのに・・・
世の中には、人が作ったものであっても美しさを何故か醸し出す、感じさせるものがある。
創造主が意図しているかどうかはわからないが。
私がこれまで、奇麗だな〜、美しいなぁ、と感じたものを上げてみたい。あくまでも個人の趣味であるが。
ベルリンの音楽堂/オペラハウス
リフトオフ待機中のスペースシャトル(機種は不明、待機中)
南極調査船「しらせ」・・・引退しました
パラゴン(スピーカー:実物見た事あります)
グランドピアノ(メーカー問わず、これはヤマハ製)
戦艦「ビスマルク」
巡洋艦「利根」
オリオン座と冬の大三角(特にオリオンの形状)・・・人工物じゃないな
ジャンルはバラバラであるが、何故かこのようなものに美を感じてしまう。
これらの迫り来るものって、機能美・造形美じゃないだろうか。
ある目的を達成する為に高度に機能に特化して作られたものには、自然に一種の美が宿ったり、芸術性が偏在したりするようになる。
考えてみると、先に上げた各々には、作られた目的、利用手段に際立った特徴と限度があるんだね。
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オペラハウスは神聖ローマ帝国時代のものの復刻版だろうか。吸い込まれるような美しさだ。同伴者していた妻が、「こっ、この建物、ヤバい!感じる!」って言っていた。
霊感・・・
宇宙ステーションは、見て感じたのはマラソン選手みたいな形してるなと。いっさいの無駄なものがない形状。雪の結晶にも似ているし、ウィルスにも見える。
リフトオフを静かに待つスペースシャトルは、夜の闇に照らし出されてとても幻想的だ。オービターが何かに祈りを捧げる求道者にも見える。
「しらせ」って、普通の船と違ってものすごく船腹が広い。乗ってみると分かるが、船体形状が他と比べて明らかに異なる。
理由は、南極の氷を割って進めるよう、特殊な船体形状と構造を持たせているからだそう。
でもね、何故かこれを美しいと感じる。
同乗した方(女性です)が、私と同時に「この船、きれいー、すごいー」と呟いていた。そして、「これって、機能美ですよね〜」と。おおっ、あなたにも分かりますか・・
パラゴンとグランドピアノは、オーディオ/弦楽器としての完成形だから美しいのかも知れない。形も音もエレガント。
「ビスマルク」と「利根」は私の嗜好が大きいかもしれない。この2艦、設計コンセプト、エンジニアリング、仕上がりと実践結果は最高だ。
オリオンは神様が悩める人類のために創造して下さった偉大な星座。よくもまあ、こんな奇麗な形に作って下さったものだ。
この星座、見所一杯。冬の寒さが辛ければ、これを見て凌げと神は言ってるのだ。
私の勝手な嗜好だが、スカイツリーには機能美・造形美が感じにくい。残念ながら。
でも、登るけどね・・・
おまけで、人工物で機能美が全くないが、許せるもの↓
どうしても好きになれないもの・・・
景観に馴染んでいない。気持ち悪い。プラハで見たムッソリーニのビルに似ている(ビルの中は、サーバールームらしい)↓
※東京スカイツリーのハードウェア、建築に当たってのエンジニアリングには脱帽しています。エクセレントです。