カオスの中に相愛を見た! 〜中之島図書館の思い出〜
大阪の中之島図書館を廃止(閉鎖?)するとの話が出ているそうだ。
橋下市長が、「あんなところに図書館なんぞいらん!」と言ったとか。
実は、私もあの図書館を使っていた人間の一人だ。受験生の頃、学校帰りに寄って、専門書を見たり、参考書を借りて(すごい数です)問題を解いたりしていた。
私の場合は、相当前の話なので、現在の状況は分からないが、当時からビジネスマンの方は結構いたような気がする。
そりゃ、堂島のすぐ傍だからね。
あの辺りの超一流企業のビジネスパーソンが使っていても当たり前。会社にいるより、調べものは進むと思う。
記事においても紹介されていたが、図書館自身は外観を含め相当洋風の建物だ。
ギリシャの宮殿みたいな建物という記憶はあるのだが、当時は別にそれを意識もしていなかった。
そもそも、大阪って統一性のない色々な建物があるので、宮殿造りの図書館くらいで驚いている暇は無い。
大阪城、通天閣、阪急グランドビル(大阪初の30階建てビル)、ナビオ阪急(潜水艦の形をしている)、丸ビル(そのまんま)、太陽の塔(今でも吹田に立ってる)、なんば花月、戎神社、そして中之島図書館。み〜んなデザインコンセプトなんてバラバラだ。
日頃から、こんだけ色んなものを見ていたら、別に図書館がどんな形していても驚きかないよ・・・・・・
ビジネス街のど真ん中に宮殿造りの図書館があると変ですかね?
美術館だったらOK?
ドレスデン(ドイツ)にも市街地のど真ん中に宮殿(これは本物)の美術館があったよ。
橋下さんも元々は大阪のもんとちゃうんやから、あんまり地元の込み入ったところまで、踏み込まんといてほしいよね。
あのカオスが、「大阪の粋」っちゅうもんやろ?ほっとけや・・・。
潰したら、後できっと後悔するで・・・、と大阪の人は思っているのではないだろうか。
あと、蛇足だが思い出も少々。
私は、あそこに通ってたある時、机の前に座っていた、とある女学生(JK)に声を掛けられた。
「何、やってるん?」
「図書館やから、勉強にきまっとる」
「受験生?」
「うん」
「ほな、私より年上や」
「何年生?」
「言わへん」
「ふん、どうせ、1年生やろ」
「何でわかるん!」
「ほら、その反応もそうや・・・」
(子供っぽいと言いたかったのが、伝わったようだった)
彼女はその制服から、傍(本町ですね)にある「相愛高校」の学生であることは明白だった。
「”相愛”もここで受験勉強するのか?」(歩いていけるもんね・・・)
「えっ、高校分かるの?」
「そら、その制服見たらわかるわ。おまえの学校、結構有名やからな」
「ふっう〜ん」(まんざらでもない笑顔)「そんで、あんたは、どこ?」
「おれは、川高」
そのあと、食堂(軽食コーナーみたいだったと思う)でジュースを飲みながら、どーでもいいことを話して、その後別れた。別れ際に彼女は、
「がんばり〜や」
といってくれた。
「頑張んのはお前の方や・・・」
この間、本町の相愛高校の前を通りかかったら、「新体操部全国大会出場!」という横断幕が校舎にかかっていた。へ〜、知らんかった。新体操、強いんや・・・
彼女は今ごろきっと、お母さんになって、母校を応援しているんだと思う。電話番号聞いとけば良かったかなぁ。
あと、図書館は中之島の川縁に立地しており、その当時は、川沿いにベンチがさーっと並んでいた。ここは、夜はカップルのデートスポットとしても、また、覗きの名所としても大変有名。東京の新宿公園みたいなもの。
大阪では、彼女ができたらここで夜デートをすることが男子の本懐だった。「中之島いけへん?」って聞いて、彼女がOKしたらそれはkissはOKという意味に等しかった。
便利な所でしょ。勉強にも、デートにも使える。
そら、大阪の人ら、反対しまっしゃろ。皆、世話になってんねんから。
橋下さんも殺生やねぇ。