ジブリと猫にまつわるエトセトラ
昨夜(7/6)、TVで「千と千尋の神隠し」を放送していた。この映画は、劇場で見たし、DVDも持っているのでわざわざTVで見る必要はないのであるが、成り行きで最後まで見ていた。
ストーリーも知っているくせに、またしても涙していた。
自分自身の涙腺が弱いのが原因であるが、この話の何が感動的であるのか私には分かっていない。ただ、千尋が両親を助け出すために、経験をしたこともない仕事に一生懸命に打ち込む健気さがいい。ハクの正体も意外であった。
私は、宮崎駿さんの企みにまんまと乗っている多くの大衆のうちの一人だ。我ながらアホだな、と思うが、少しばかりの出費で素直に感動し、涙しているのだから精神的には健全だ。
それにしても、宮崎さんは、よくこのような不思議な話が思いつくものだ。しかし、一方でよくわからんストーリーも発明される。よくわからん話と言えば「ポニョ」がそうであった。未だに内容を理解できていない。大橋のぞみさんを発掘した事は大いに評価できるが。わからんくせに、DVDは持っている。はやりはめられている・・・
ある講演会で、鈴木敏夫さんが言っていたが、宮崎さんは見た物(風景)を脳内のどこかに転写しておく能力(才能)をもっているそうだ。
何年も前に、ヨーロッパを2人で旅行したときに見たとある家を、数年後、いきなり絵に描いて、「トシさん、これ覚えてる?」って見せてくれたことがあるそうだ。その絵は、写真で撮ったように細部まで緻密に描写されていたらしい。「これ、こんどの映画に使おうよ」といってご機嫌だったそうだ。
ちなみにその絵は、「魔女の宅急便」で使われた。キキの生家がそれであるとのこと。
キキはジジという黒猫を連れている。そう言えば、私の家にも一時期、黒猫がいた。
この黒ネコ、家の側の道路でうずくまっていた。
どうやら、車に轢かれたらしく、這いずってもがいている。口から血を流していた。 数日で死ぬだろう事を覚悟して拾ってきた。
いくらノラとはいえ、あのように無惨に道路上で死ぬのはかわいそうだと思ったから。しかし、意外な事にこの黒猫は回復した。つぶれていたと思われた足も完治し、野良猫として完全復活し、近所のメス猫を何人か愛人にしたらしい。羨ましい限りだ・・・
私はこの黒猫に「よしお」という名前をつけた。当時流行っていた芸人の名だ。
それから数年間が経過し、よしおという芸人が旬でなくなった頃、親戚から犬を預かることになった。この犬、大層可愛いのであるが、性格が悪い。自分が後で我が家にきたくせに、先住民であるネコ達を吠えまくる。よしおは、吠えかかられる事がいやになって、とうとう家出してしまった。
最初は2〜3日で戻ってくるプチ家出だったが、喧嘩してまた家出、を繰り返しているあいだに、とうとう戻ってこなくなった。
どうやら、近所の(友人の)家で時々エサをもらっているらしい。
また、違う家で違う名前をもらって飼われているという話も聞く。
「耳をすませば」に出てきた猫は、「ムーン」という名だったが、別の家では「ムタ」と呼ばれていた。この名は、「猫の恩返し」に出てきた勇者猫の名前と同じ・・・。ネコの世界ではよくある話だ。
道端で黒猫を見たら、「よしお!」と声をかけてみて欲しい。もし振り向けば、それ、私のネコです・・・
よしおの左にいる茶トラ猫は「ゆず」という名だ。我が家で生まれた猫であり、よしおが来る随分前から家にいる。私より地位は上だ。
私の朝食は、彼の朝食後に出てくる。家の中では一番最後だ。
ゆずは、少々頭が悪い。喧嘩も弱い。アホだが、性格はすこぶる良い。だれにでも優しい。よしおが来たときも、自分の寝床、食事場所をあっさりとよしおに譲った。2人は見た通り仲良しだ。
しかし、今はもういない。一足先に天国に逝った。
このブログのタイトルは、我が家を和ましてくれた「ゆず」から付けさせてもらっている。彼のことを忘れないためにも。
よしおは、すでに命の恩人である私のことを忘れている・・・