コメは本当に”聖域”に生えているのか?
今朝の日経1面は、TPP。「コメ・砂糖”聖域”最優先」だと。これらの農産物は、聖域と位置付け、現行関税率を最優先とする政府方針を掲げる事にした、と言うことらしい。
ご丁寧にも、コメ、砂糖、牛肉等の関税率も掲載されている。
コメの約700%は知っていた。コメの輸入開始に関する当時の状況は覚えている。”GATTのウルグアイ・ラウンド”って懐かしい言葉だ。あの時は、自民党が「コメは一粒たりとも輸入させない」を政権公約に総選挙を戦いそして勝った。
そして、その直後の国会で、恥も外聞も無く政権公約を翻し、コメのミニマムアクセスを決めた。私はこの時から自民党の政権公約を信じなくなった。
この時の自民党のウソは、この前の民主党のそれと良い勝負で、相当に酷いものだ。
「一粒」という言葉に、当時の自民党の”欺瞞”と族議員(政治家)達の精神論、理想論、浪花節が込められている。言葉と姿勢は大層なものであったが、このことに政治生命をかけた自民党議員はいなかったと言わざるを得ない結末だった。
700%という数字は、当時の最大勢力、自民党農協族議員達の残した栄えある”遺産”であり政治的”恥”の痕跡・・・。
最近、日本語のゆらぎが激しく、「聖域」とか「聖地」とか、「聖人」「カリスマ」と言われてもありがたみ・重みが全くない。
”コメが聖域”と言われても、政治家(自民党議員)達がどこまで本気なのか、分かったものではない。
前回の(農家にとっての)裏切りがあり、(農家以外の人達への)嘘つきの実績があるだけに、「どこまで本気?」と誰もが疑ってかかるのはやむを得ないというもの。
大体、TPPの趣旨、目的から考えて、日本の関税の象徴である「コメ」と「小麦」、「牛肉」が適用除外、って外国から見たらどうよ・・・。
何の為のTPPだか分かりやしない。「いいとこ取り」もここまで来たらエゲツない、って言われないか?
”完全自由貿易”のTPPイメージと"聖域"、”適用除外”がどうしてもマッチしない。
どう転んでも、良い方向に結論があるとは思えないんだけど・・・
閑話休題。
私は大人になるまで”お米”に味があることを知らなかった。
お味噌が美味しい事を知らなかった。
純米酒のピュアな味わいを知らなかった。
タイ米というものの味を知らなかった。その美味しい調理法も。
カリフォルニア米は未だ何も知らない。
恐らく、私は、これからも日本の”お米”を食べ続けると思う。例え、10倍値段の違うものがスーパーに並んでいたとしても。だって、これが美味しいんだもん。
お米については、少なくとも”何処”に生えているか、については問題にしない。例えそれが”聖域”であろうが、なかろうが・・・