もはや眠らない「東京」
今朝、高崎線でトラブルがあったそうで、その影響で東海道線、湘南新宿ラインが早朝から遅れていた。
横浜駅の東海道線ホームは、たかが10分弱の運行遅れにもかかわらず、ごった返していた。恐らく、始めは5分程度の遅れであったものと想像する(案内板にはそう表示されていた)が、乗客が発車前の電車に殺到する為、ドアが閉まらない、発進出来ない、で次第に運行遅れは大きくなり、駅の混雑は瞬く間に尋常ならざるものになった。
以前も書いたが、遅れているとは言え、早朝の東海道線の電車の入線間隔は3〜5分だ。
何も、急いで車両に殺到する必要はないのであるが、そうは言っても皆「我、先を急ぐ」。
いつもと同様、押すな押すな、そこのけの大変なカオス状態だった。
つくづく、群集心理は恐ろしい。リーマン達の合い言葉は「乗り遅れるな!」だ。
バカバカしい・・・。何をそんなに急ぐ必要があるのか・・・。
とは言え、通常来る筈の電車が10分間も遅れると、横浜駅の場合、プラットフォームから人がはみ出し始めるのも事実。入場規制をやらないと、マジで危険な状況になり得る。これは、笑い事ではない。
乗降数に比して、明らかに、駅のキャパシティが足りないのだ。これは、東京圏の多くの駅に共通することだと思う。
明らかに、度が過ぎた人口集中が起きている、ということだ。
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バブルの頃、行き過ぎた東京への一局集中を是正する為に、「首都移転構想」なるものがあった。少なくとも、政府機能くらいは、東京とは異なる地域に移動させてはどうか、という遠大な構想だ。
当時は、仙台や富士山の麓、那須塩原あたりが、まことしやかに候補地として噂されたりしたものだ。
結果としては、「もしも」の話で終わってしまったのであるが、今の東京一極集中については、いずれ何らかの是正処置が講じられないと、地震・台風等の天変地異等、有事の際、首都圏機能が完全に喪失する事も、あながち杞憂とは言い切れない。
いくら何でも「このまま」じゃ、いかんだろう・・・
実際に「遷都」をやろうとすれば、当方も無いお金と期間がかかるだろう。
お金はともかく、30年もかけて遷都を行うくらいなら、そのまま放っておいても、やがて東京の人口は減少に転ずる。客観情勢の変化が、事態を円満解決してくれる可能性もゼロではない。
しかし、遷都とまでは言わなくても、せめてソフト面での解決アプローチくらいは、私たちの出来る範囲内でしておくべきだと思う。
先日、辞任した東京都知事は、渋谷から麻布十番辺りまでの深夜バスを試験運行させていた。このアイデアは「行ける」のではないだろうか。
これに習い、東京圏は、電車を始めとする公共交通機関を24時間運転としてはどうか。
また、各企業は、勤務体系を柔軟な制度に切り替え、裁量労働やスーパーフレックス、変形勤務制度等を導入する。
そうすると、おのずとオフピーク通勤が定着してくるのではないだろうか。
中小企業においては、フレキシブルな勤務体系は、労務管理や業績(成果)管理の面で現実的な課題が出て来るかも知れない。
しかし、この世界的にも稀な、この超一極集中の弊害是正のため、何とか東京在住の企業群で叡智を結集できないものであろうか。
始業時間をずらすだけでも、相当な効果が期待出来ると思うのだが。
ともかく、今の東京は特定の時間に人が集中し過ぎだと思う。異常だ・・・
たまにだけど、正月やお盆に東京に行くと、電車も施設もめっちゃ空いている。信じられないくらいに。
どうせだから、東京を24時間、365日、まんべんなく使いこなせないものか。
都知事には、是非とも知恵を出して頂きたい、と思っている。