ネバーランドの涙
先日(11/30)、TDLに行った。約2年ぶり。コロナ禍以降では初めて。
長女夫婦が誘ってくれたのだ。孫達を帯同。
オリエンタルランドが赤字に喘いでいる事は当然知っている。パレードもキャラクター達との触れ合いがないことも聞いている。
今のTDLがテーマパークとしての付加価値を発揮出来ず、夢の国としての機能を十分に果たせないでいることも承知だ。
どのような形態で運営されているのだろうか…
ある種の不安感を持ちながらの来園であった。
今回は、交通手段・旅行行程がこれまでと異なる。
横浜までは電車で移動、そして横浜駅バスターミナルからTDL行きのバスに乗る。横浜から湾岸線を使って葛西・舞浜までは1時間程度。朝、7:00に家を出て到着したのは9:30頃だった。
これは、楽チンだ。
子供が小さい頃は、やはり自家用車の一択であるが、その彼らも今や独立して家を出ている。そして、自分たちの家族を持っている。こうなると、私たちジジ・ババが敢えて車での移動を前提とする理由はもはや無い。
また、今回は日帰りではなく、浦安にホテルをとった。その日に無理して移動せず、ランドでじっくりと遊んだのち、皆で宿泊することにした。
プランは妻と長女が相談して決めた。Go To Travel も使ったとのこと。通常よりはかなり格安で予算が組めたと2人は言っていた。
さて、TDLのゲートの前に立った。
いつもとは違う風景・空間がそこにあった。
やはり、圧倒的に人が少ない。
TVでは、通常5〜6万人収容しているランドは、今半分の2〜3万人程度に絞っていると言っていた。確かに、その通りである。
ゲートでおでこを出して検温。荷物検査(中を覗かれる)。
入場は、チケットレスだ。スマホ画面にQRコード出して機械に読ませるだけ。とてもスムーズに入場できる。初っ端から”密”を避ける仕掛けが導入されている。
ランドの至るところには、ソーシャルディスタンスを確保する工夫がしてある。
ポイントが打ってあったり、ラインがさり気なく引かれている。
いつもは、ランド内を歩いてると色々なキャラクター達が出迎えてくれるのであるが、今回は誰もいない。キャストのお兄さん、お姉さんだけだ。
ゲートをくぐったらすぐにミッキー達をあしらった花壇があったと思ったが、それも無い。
密を誘発する可能性のある設備・モニュメントは、さり気なく全て撤去・廃止したようだ。これは、ランド全域に渡って徹底されているように感じた。
キャストの方々の笑顔でのおもてなし、ホスピタリティは変わらない。孫達は彼らからは「プリンセス❤️」と声をかけられていた。
いつものパレードもないと聞いていたが、実は極々、縮小して「存在」した。
昼に1台、夕方に3台のパレードカーが走った。
それでもそれを楽しみに、多くのゲスト達が街道にディスタンスを確保しながら座った。賑やかな楽曲もなかった。
殆どのアトラクションは、いつも通り開催されていた。ただし、やはり密を避ける工夫はされている。
ホーンテッド・マンションは、入場したらすぐにカゴに乗るようにルートが変更されていた。いつもの、あの大きなエレベータ仕掛けの部屋がパスされている。確かにあの仕掛けは「密」だ。感染予防の観点からデリートされたようだ。徹底している…
待ち時間は総じて短い。平均15〜20分程度ではないだろうか。
私たちが一番長く並んだのは「ダンボ」の35分だ。
ピーターパンで15分くらい。信じられない短さだ。
しかし、残念ながら抽選に外れた。無念…
抽選に外れると、新エリア自体に入場させてもらえない。
残念だが、諦めるしかない。
妻は、BAYMAXにハマっていた。
私には何が良いのか分からないが…
ランド内の消毒は徹底されている。あらゆる場所にアルコールが設置してある。
キャストが絶えず、設備を消毒して回っている。涙ぐましい姿とも言える。これだけ、徹底して清潔さを保つ努力をされると、ゲストとしても相当の安心感を持てる。
私たちは、夜7時半過ぎにランドを後にした。
もう少し滞在したかったが、レストランが予約一杯で、このままだと夕食が確保できなかった。小さなプリンセス達に食事を摂らせる必要があった。
婿殿の車(七人乗り)で、宿泊先である新浦安方面を目指して移動していたら、後ろで花火の音がした。
車を止めて皆で振り返った。
ランドの頭上に花火が咲いた。
5分間だけ。
いつもの半分の規模だ。
私には、ランドが泣いているように見えた。
「本当は、もっと、もっと、ゲストをもてなしたい!」
とTDLが言ってるように見えた。聞こえた。
どうやら、夢の国は私たちにとっては「かけがえのない存在」になってしまったようだ。
その夢の国が、今泣いている…