オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

牡丹餅は何処へ…

 棚から牡丹餅の続編。

 少し早いが年末年始休暇に入った。今年は、コロナ感染対策もあり、年始から1/11までは「年休取得推奨日」となった。会社からの指示は「現場との調整の上、取れるようなら年休をとれ」だ。

 まさか、17連休などはあり得ない(暇過ぎる・家でやる事ない。GoToしないし…)が、少なくとも年末と「正月三が日」は休みだ。かなり時間ができた。

 大掃除は、年末にするとして、暇なこの時間に、この間の天文シミュレーションの続きをやった。

 前回は、Star Atlasに木星土星マッピングしてみたが、今回はこれを宇宙の上側から見たMAPを作ってみた。さて、太陽系を上から(本来、宇宙空間に上下はない)見たらどうなっているのだろうか。

 正しく言うと「黄道面を北側から俯瞰した太陽系図」となる。

 

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2020年12月21日、黄道面を北側から。

 

 2020年12月21日、18:00のMAPだ。

 このプログラムは、Star Atlasに比べればやや単純だ。

 各惑星の軌道要素から「真近点離角」「太陽・惑星間距離」を算出すれば、それをX・Y座標にプロットすれば良いので、Star Atlasよりも手数は圧倒的に少ない。

 第4象限の水色の点が木星、紫色が土星だ。

 中心点から見た時、ほぼ線上に並んでいるのがわかる。

 何処の星座に位置するかも分かるように黄道12星座の名称も入れておいた。

 木星土星は「Sgt(sagittarius)」射手座の方向に見えるのが分かる。

 こうしてみると、外惑星は海王星準惑星冥王星も同じような方向に位置することが分かる。

 右上にある小さい窓は火星を含めて「内惑星」をプロットしている。

 赤い点が火星。

 木星からやや離れていっているのが分かる。

 火星は時期にもよるが動きが早く、変化も激しい。

 ついこの間までは、木星の近くにいたが、今は水瓶座を通り越して魚座に位置している。この後もすごいスピードで左回り(時計と反対方向の回転)に移動していく。

 

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2020年1月1日18:00の太陽系。この頃、火星は獅子座〜乙女座にいた

 

 そういう意味では、2020年は火星・木星土星を一度に観測できる希な観測年であったと言える。

 さて、このスター達はこの後、どのような動きをするのだろうか。

 2021年1年間の太陽系惑星の軌道をプロットしてみた。

 

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2020年12月21日〜2021年12月21日までの1年間の軌道

 右上の小窓を見ると、黄色い太陽を表す点が1週していることがわかる。

 赤は火星。火星の公転周期は、1.8809年。その通り、約半周している。どうやら1年後には乙女座に鎮座するようだ。

 一方、木星以遠の外惑星達はほんの少ししか動いていないように見える。

 各々の公転周期は以下の通り。

木星:11.862年

土星:29.458年

天王星:84.022年

海王星:164.774年

冥王星:247.796年

 外惑星があまり移動したように見えないのも無理はない。木星で1/11.862、弧度法で30.3度の角度の変化だ。天王星で2.2°、冥王星で1.5°の変化。

 海王星の発見は1846年、冥王星は1930年。冥王星は発見されて以来、公転周期の3割強の距離しか移動していない。

 あの人たちの動作は、極めてノンビリとしているのだ。

 

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2021年1月〜12月末(18:00)までの各惑星の動き。火星(赤色)は天空の半分を移動する。

木星水瓶座土星山羊座にいる。

 

 さて、木星土星は新年を過ぎると射手座から山羊座付近に移動していく。やがて夕日と共に沈んでしまうので観望出来るのは21年の前半だけだ。

 一方、火星は観望ポジションにいる。

 この後、双子座→かに座→獅子座、と移動するので、1年の前半は季節の星座と同時に見ることができる。

 夏くらいまでは、夜、空を見上げたら南から西の方角の空に赤い星を見ることになる。

 大接近後なので次第に離れ暗くなっていくが、それでも2等星程度の明るさは維持しているようなので観望に不自由はない。

 ガリレオが恋した惑星達と1年を共に歩もう。

 いずれ、世の中も静かになる…