This Campaign was abnormally terminated.

　This program was normally terminated.

　えらい昔のコンピューターシステム（メインフレームの時代）では、プログラムを走らせ正常に終了した際は、上記のようなシステムメッセージが出力されたと記憶している。

　一方で、バグ等のため異常終了した時は「Job ABEND」らしきメッセージ出力だったと思う。

　私たちは、よく「参ったなあ、アベンドしたよ〜」ってな感じで会話していた。

　先ほどの正常終了メッセージの文法を尊重するなら、

　This program was abnormally terminated.

　でも良さそうなものであるが、そうじゃなかった気がする。

　やはり「abnormal end…」、略して「ABEND」なのだ。

　多分、これ、IBM用語だな。

　・・・

　そう、このプログラムはアベンドする。

　正しくは、"プログラム" → "キャンペーン" のことであるが。

　Go To Travel. のことだ。東京都発着を除いて実施するとのこと。

　世間は「何で今、このタイミングで？」と非難轟々である。政府は、わざわざ計画を前倒して7/22から開始する。

　感染者数が減少に転じ、コロナ拡散が収まるのを待ってはどうか、との声も強いが政府は頑として方針変更しない。

　理由は自明。

　「今後、感染者数はさらに増える。当面、収まることはない。収束を待ってのGo Toでは今年中の実施は出来なくなる。やるなら今しかない。」と考えているからだ。

　つまり、政府は国民を感染リスクにさらそうとしている確信的実行犯なのだ。

　現政権は、この政策により国民が何人感染しても構わないと考えている節がある。

　左様に、ツーリズム業界に金を落としたいのだろう。

　利益誘導の最たるものだ。幹事長が咬んでいるとのもっぱらの噂である。

　恐らく、その通りなのだろう。

　この政権は、万事、この調子だ。そして、何が起きても責任は取らない。誰もだ…。

　「東京差別」

　「東京問題」

　「諸悪の根源、東京」

　ネット上では、様々な言葉、タグが飛び交う。

　幸い、神奈川、千葉、埼玉は、Go To 除外対象からは外れたが、結果は同じことだ。このような状況で、旅行に行こうとは到底考えられない。

　妻もそう言っている。

　「きっと、私たちは歓迎されない。東京も神奈川も観光地からすれば同じよ。」

　ず〜ん、と気が重くなった。

　もう、ウンザリである。

　やりたい人たちで勝手に、Go Go してくれ。私たち夫婦は加わらないことにする。

　もう少し、世間が落ち着いてからにする。次は屋久島に行こうと妻とは話している…

　さて、ネット上では「東京云々」以外に、「ポテサラじじい」と「手取り14万円」が話題になっていた。

　傍若無人・無神経な老人の暴言と医療関係者のブラック労働環境を訴えた話題であることから、どちらも、世間の関心を集めていたようだ。私も「フ〜ン」とか呟きながら記事を読んでいた。

　しかし、一方で「ポテサラじじい」は世代間断絶を煽るガセネタ（嘘松）との意見もあった。

　文章の構成からも、内容が嘘くさいというのだ。

　なるほど、それもあるかもしれない。

　では、看護師の手取り14万円も「ちょっと待った」的な部分はある。

　「手取り」というが何を天引きされた後の手取りだろうか？

　所得税、社会保険料等を源泉徴収された後の収得を指しているのだろうか？

　会社関係の寮に居住している人であれば、寮費・共益費・光熱水費を天引きされた後の収得である可能性だってある。

　今時、社内預金をやっている人は流石にいないであろうが、会社が何かしらの事由によって給与天引きをすることは珍しいことではない。

　「手取り」で全てのパターンをくくって表現するのには無理がある。

　もし、14万円が税金・社会保険料のみを源泉徴収された後の金額を意味しているならば、これはこれで問題がある。

　この投稿者、所得税率が10％程度であるとしたら月給は15万円程度ということになる（残業抜き）。

　1日８時間、週休2日制により1ヶ月に20日程度を働くとしたら、月間の労働時間は、

８Hr×20day =160Hr/月、となる。時間給は、150,000÷160 = 937.5円 → 約938円

　東京都の最低賃金をご存知か？

　1,013円である。

　神奈川県は、1,011円。埼玉県926円、千葉県923円、沖縄県が790円、である。

　投稿者が関東圏（東京・神奈川）に勤務の看護師であるならば、「法律違反」である。

　だから、相当に怪しい話でもある。

　休日労働、平日残業一切なしで月収15万円…？これ、本当か？

　真偽は分からない。

　しかし、今の医療現場の実情にしては確かに不自然なものを感じる。

　パート労働のテンポラリスタッフがこの投稿をしたのであれば、それは誤解を誘発する内容だ。一体、何のためにこのような世間を煽る投稿をしているのか意味不明である。

　・・・

　2020年も、コロナで明けたが気がついたらもう半分以上が経ってしまっている。

　昨日、妻と昼食を摂っていたら彼女がボソッと呟いた。

　「多分、こんな感じで今年は終わって行くんだろうね…。旅行にも行けずに。」

　私は返す言葉が見当たらなかった。

　「ああ、そうだね。でもGo To Travel は Go To Trouble で終わると思うよ。せめて、自分たちは感染しないよう気をつけて生活しようよ。」

　This Campaign was abnormally terminated.