オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

MacBook Pro 13inch → MacBook Air 15inch

 10年以上使っていたMacBook Proがついにお釈迦になったので新型機を購入した。

 以前のMac Bookは「2010Mid」だったので丸々13年間もお世話になったことになる。古い機体であったが使用に全く不便・問題は無かった。

 エンジンはIntelのCore2DuoとかいうクラシックなCPUであったがスムーズに動作していて性能的に買い替えの必要は無かった。

 メモリは(たったの)4GB、HDDは250GBであるが購入時は100GB以上の空きがあった。ストレージは同容量のTranscendSSDに換装していた。

 この効果は絶大で、このマシンが10年以上も実用に耐えた大きな理由の一つと思っている。

 性能的に問題が無かった理由として、Mac OSUnixであることも大きいと思っている。

 そもそもOSが「軽い」のだ(鈍いIntel PCにFreeBSDLinuxを入れたことのある人はわかると思う)。

 この時代のMacの手放し難いもう一つの理由は「光学ドライブ」が内蔵されていること。この仕様は現在では”珍しい”。

 私はWindowsについては既にVistaで見切りをつけている。

 会社のPCはWindowsマシンであるが、あんな出来損ないのOSを高い金を積んでまで自分用に買う意義は以前から見出せなかった。

 ただ、長年の使用でボディは傷だらけ、机から落下させて以来スピーカーからはノイズを発生するようになり、エンターキーは割れてしまっていたので接着剤で繋いで使用する状況だった。

 あのシルバーのアルミボディに強い愛着もあったが、キーボード上にコーヒーをこぼしてしまい、うんともすんとも言わなくなってしまった。

 完全に自分の不注意であり強く後悔をした。やはりPCの側に水分を置くのは厳禁だ。

 

 さて、新しいPCの候補選びをする必要があった。

 先ほどWindows PCは眼中にない旨のことを言ったが、まあ全く購入対象から外してしまう訳にもいかず、メーカーサイトをあちこち見てみた。

 Windows PCであれば、やはりHPかVAIOだなと考えた。

 HPの高級機は結構デザインが良い。ただ、量販店でもHP機の展示は少なく実機を触れないのが難点。VAIOもデザインが抜群に良いが展示はほぼ無い。残念だ。

 CPUの最新型は12世代?13世代?なのか…。

 長らくPCの購入を考えなかったのでIntelプロセッサのトレンドがわからなくなっていた。

 本家本元であるMicroSoftも無視は出来ない。

 Surface自体は良いマシンだと思っている。

 機械として割り切って使うのであれば十分に選択肢となり得る。

 しかし、結構高価だ。

 Office365は不要なのでその分価格を下げてくれれば良いのに…

 SurfaceであればLaptopかな…とは思った。

 実は長女がSurfaceを所有しておりモノ自体の良さは知っている。あのキーボードの手触りは好きだ。OSとOffice(こんなもの家庭では使わない)が嫌いなだけ。

 あのタッチ式のディスプレイとキーボードが外せてタブレットにもなる仕様は素晴らしいと思う。いわゆる2in1仕様は私の好みだ。

 画面をタッチする操作もお気に入りで、現在保有しているAcer PCも実はタッチパネル式だ。

 それにしてもWindowds PCも高価になったものだ。

 CPUはcore i5以上、メモリは16MB、SSDは512GB、ディスプレイは14インチ程度…は欲しい。

 候補に挙げたスペックのマシンを探すと大体が10万円後半〜20万円台になってしまう。

 「スペック求め過ぎ!」と思われるかもしれないが、これは私が過去の経験を元にWindowsマシンのパフォーマンスを低めに見積もっているからだ。

 Windowsはそもそもがメモリを喰う。無駄に。恐らく8GBでは実用に耐えないと思う。

 ストレージも無駄に占有する。256GBではOSだけでアプリを入れる隙間がないだろう。

 それに加えOSが無駄に重いのだからCPU性能を妥協するのは厳禁だ。

 Windowsはそもそもがセキュリティホールの塊なので、頻繁に際限なくパッチを当て続けなくてはならないOSだ。

 CPU性能をケチるとWindows Updateだけで無駄な時間を使う羽目になりかねない。これは本末転倒。

 「いや、それは偏見。今のWindows PCはほどほどのスペックでも十分に速いよ」と誰かが嬉しい助言をしてくれれば良いのだが、現在までそのような状況はない。

 20万円かけてWindowsマシンを購入するなんて何かの悪夢だ、…と本気で思っていた。 

 

 本当はMacBook Proが欲しい。

 しかし今のMacBook Proはべらぼうに高価だ。14inchで29万円弱。16inchは35万円。

 この値段のものを仕事以外で選択することは非現実的。でもスペック、外観、質感、全てにおいて”抜群”だとは思う。

 そこにMac Book Air 15inchの登場である。

 1ヶ月間にわたるPC探しは終わった…

 

M2、8GB、256GB SSDで198,800円

でっかい画面で解像度も十分。左右に余裕があるのが分かる

【新型Macbook Airのスペック】

CPU:M2

メモリ:8GB

ストレージ:SSD256GB(100GB少しの空きあり)

ディスプレイ:2880×1864ピクセル

オーディオ:6スピーカー

外部ポート:Thunderbolt3 2ポートあり

本体の厚さ:1.15cm

重さ:1.51Kg

 

 このスペックでこの価格。

 昨今の円安で少し値上げされたが納得の買い物である。

 

 

 

秋田、春の星座たち

 秋田市はすっかり春だ。

 天気も良く夜空を眺める機会も多くなった。

 やはり神奈川に比べると星が格段に綺麗に見える。

 iphoneで何枚か星座を撮ってみたので紹介する。

 天文雑誌で見かけるような写真とは到底比べ物にはならないが、何と言っても自慢出来るのは特殊な道具なし、iphoneでそのまま撮れるというのが凄いし嬉しい。

 写真の何枚かはPhotoshopで明るさ・コントラストの調整を少しだけしてある。

北斗七星。さりげなく北極星も写ってる

カシオペアペルセウス。下の方に見えるモヤッとしたのは恐らくM31。肉眼では見えてなかったが写真には写ってる。カシオペアペルセウスの中間あたりにIC1848とIC1805が見える

スバルを望遠モードで写したもの。右上の2つはペルセウス君の足

オリオン。iphoneでこれだけはっきりとM42大星雲が撮れるのは凄い

オリオンとおおいぬ。都会でこの四角形は中々視認できない。冬の大三角

雄牛と馭者。五角形がバッチリ。すばるも見える

西に沈む獅子座。右に傾いた鎌(獅子の頭)の形が分かる

これが撮りたかった。乙女座。一等賞に明るく見えるのがスピカ。

南中しつつある蠍座とその上にへびつかい座蠍座はあまり高く上がらない。

 

 夏に向けてが楽しみだ。

 夏は天の川を狙ってみる。蠍座の尻尾あたりから東に向かって流れるはず。

満天の星

 今週になって、秋田市内はいきなり暖かくなった。

 朝夕は未だに寒さを強く感じるが、昼間は信じられないぐらい暖かい。

 気温10度を超える日がほとんど。それに従い、3月に入ってからは夜空に星を眺められる日が数回あった。

 1〜2月の観望日は辛うじて2日程度で、ほぼゼロに等しい残念な状況だった。

 秋田への移住は、都会育ちの私には正直迷いがあったが、妻は私に対し何度かキラーワードを発していた。

「秋田は星が綺麗に見えるよ。天の川も」

「どうせ家を建て替えるんだから天文台でも作ったら?」

 これは大変魅力的な誘い文句だった。

 まあ、予算の都合で自家製天文台は叶わなかったが。

 自宅は秋田駅から車で30分程度の場所にある。

 最寄駅からも2Kmと少しの距離。

 車の通りは少ない。主要道路には面していないので通行量はほぼゼロと言っても良い。

 つまり星の観望には絶好の立地条件である。

 

 13日と15日は大変天気が良かった。

 そこで13日は自宅の庭から観望。15日は少し足を伸ばして川の土手まで行ってみた。

 そこには辺り一面の星空が広がっていた。

 季節柄シーイングがベストとは言えない。それでも神奈川に比べれば見える星の数は段違いだ。

 iphoneで撮った写真を掲載しておく。

 その場で何の工夫もなく撮ったものなので多少ぶれている。それでもこれだけ見える!

 

 北の方角はややぼやけている。

 でも5分も経つと目(瞳)が夜空に馴染んで来て北斗七星が見えてくる。北極星もおおよそ見当がつけられる。

 カシオペアが分かりづらかった。私の勘違いで本来の場所より天頂側を見ていたせいもある。

 しかし南側は大変素晴らしい景色。

 特にオリオン座が素晴らしい。

 3つ星の下の星雲が肉眼でもくっきりと見えていた。

 スバルもすぐ見つけられる。

 スバルの右側(西側)にはペルセウスと思しき星が2つは確認できた。

 であれば、そこからカシオペアまでの半分のところに双子の散開星団があるはず。

 少し分かりづらい。これかなぁ。それともこれか?

 ここを地平線の方向に行けばM31(アンドロメダ星雲)があるはず。

 ???

 M31はその日は見つけられなかった。次回、チャレンジする。

 それにしてもおおいぬ座の全形をこれだけはっきりと認識したのは初めてだ。

 「冬の大三角」がこんなにはっきりと見える!

 東の方角からは獅子座が登り始めていた。形は少し分かりづらい。しかし、あの明るいのがレグルスだろう。

 星座は色々と見えるのだが、形をはっきりと覚えていないと「これがそうだ」と認知するのはなかなか難しい。

 

 

オリオン座。大星雲がハッキリと見えている

真ん中のモヤっとしたのがスバル。右下は金星。ペルセウス座と天頂近くにぎょしゃ座の一部。左側は牡牛座のアルデバランとヒヤデス星団。


 

 私たちが見る(覚える)星座絵はそれが真南に来た時の形の時が多い。だからそれが東や西にいる時には、横にねているため思わぬ形になって見えることが少なくない。

 慣れない間は、星座盤だけを持って観望するのは結構厳しいかもしれない。

 地平線から天頂まで、北からぐるっと360度、つまり全天の夜空を何の障害物もなく眺められることは田舎の特権である。

 満天の星を眺められる季節が到来した。

 これからしばらくは星図とにらめっこだ。

 

 

(続)秋田リポート

1.気候と天気予報

 秋田で過ごす初めての冬もあと1ヶ月あまり。

 地元の方は今年は雪が少ないと言っている。

 しかし、天気自体は決してよろしくはない。

 今年に入ってから星空が見えたのは私自身の行動の中では1日だけ。

 1日を通じての晴天はなかなかない。

 また、天気の移り変わりが激しい。

 雪が降っているかと思えば雨に変わったり、いきなり雲の切れ間からお日様が出たりする。

 ワンコの散歩、たった30分間で晴れから雪に変わる事もそう珍しくはない。妻も私も天気の急変で散歩途中で急いで帰宅した事は何度もある。

 やはり厳しい気候だ。

 ただ、秋田市は海のそばに位置するので山間部に比べれば雪も少なく、これでも比較的温暖な地域だろう。

 秋田県はかなり面積が大きい自治体である(全国6位)。

 県境に巨大な山脈もある。

 よって、天気予報もそれぞれの地域と気候に応じたものが細かく出されているようだ。

 大まかに見ても、東西南北の秋田、由利本荘能代、大館、仙北、横手、湯沢といった主要地域別に3時間ごとの予報が丁寧になされている。

 例え秋田市内は晴れていても湯沢では家が埋まるほどの大雪が降っている事もあるので、地域ごとに細かく情報を出していないと、生活に密着する天気予報を出したことにならないとの事情は理解できる。

 極端な例は、秋田駅周辺(秋田中央)と雄物川を挟んだ南側の地域で天気が異なることは既に体験している(車で10分走ると天気が異なる!)。

 改めて秋田のスケールを実感している。

 

2.雪道での運転

 今冬は雪が少ないとは言っても、関東圏に比べればやはりべらぼうな量の雪が当たり前のように降る。

 夜、降雪がなくても朝起きて外を見れば数十センチの積雪になっていることは日常的だ。

 そんな時は朝一で雪掻きに追われる。

 この作業は覚悟はしていたがやはり大変だ。

 力仕事で体力も相当消費する。

 寒空の下でも30分もやればインナーにびっしりと汗をかく。まあ、それでも今年の降雪は少ないので体力的にはマシらしいが。

 雪掻きを怠ると車が動けなくなる。

 日常的に車を利用するので、常に動けるように周りの雪を退ける作業は必須のものだ。

 ただ、我が家の前の道は主要路ではないためか除雪車はあまり走らない。

 なので車周りの雪をどけても庭から道まで出るのに一苦労ということもある。

 除雪車(ブルドーザー)に一度でも前の道を走ってもらえば、先頭についたあの大きなショベルで除雪していないくても豪快な轍ができるので非常に助かる。

 主要路は朝の8:00頃には一度は除雪車が通ってくれているようだ。

 こちらでは市内のどこを除雪車が走っているかを自治体がサイトで発信している。

 身の危険を感じるほど雪に埋まってる時や、あまりに除雪車が恋しいときには電話をすればきてくれるそうだ。

 「呼べば来る」

 そんなもんなのかね…

 雪国では交通の安全のため、皆4WD車に乗っているのかと思っていたがそうでもない。

 2WDの軽自動車が一番多く見かける気がする。 

 2WDで大丈夫かい?と当初思っていたが、車の性能よりも運転の経験値が重要なようだ。

 地元の方々は老若男女、雪道の運転が上手い。慣れている。

 ただし、スタッドレスタイヤは必須。100%全車が装着している。

 また、こちらの人々はそもそも豪雪やシバれる日には無理して車を使わないようだ。

 確かに命の危険を感じてまで外出する必要はない。家にいれば良いのだ。

 無理してまで4WDを買う必要はない、との割り切りを最近感じている。

 

3.朝は早い

 首都圏では飲食業を含めた多くの店舗は10:00あるいは11:00開店だった。

 意外な事であるが、こちらでは9:00〜9:30あたりで開くお店がある。

 地元のワークマンやドラッグストア、ラーメン屋でも朝早くから営業しているところがある。

 飲食店、特に食堂と名乗っているお店の中には、7:00ぐらいから空いているところもある。

 一方、夜は大概のお店が21:00あたりで閉店する。

 ラーメンの「山岡家」は24Hr営業しているが、これはやや例外に入ると思う。

 最近、妻とは休日朝っぱらから外食することがある。

 これが結構楽しい。

 

4.SDGs

 秋田市は風の街だと先日書いたが、実は秋田県では地熱発電が盛んなのだそうだ。

 日本の地熱発電の導入量の1位は「大分県」、17.3万kWだそうだ。

 秋田県は第2位で13.5万kW。

 この2県については、意外であったがどちらも温泉の有名どころという共通点はある。

 用途は発電以外に乳製品加工、木材の乾燥、食品加工、農作物の栽培、陸上養殖、施設の冷暖房、道路の融雪、温泉施設等に活用されているとの事。

 地熱発電は10年後、18万MWを目指しているそうだ。

 果たして大分県に追いつけるだろうか。

 秋田港沖の風力発電はいずれ140MW規模まで拡大されるそう。

 これは秋田市に住む世帯をカバーできる程度の規模だ。

 地熱と風力。

 秋田は地味にSDGsしている。

 

5.港町

 今年、3年ぶりに秋田港にクルーズ船がやって来るそうだ。

 県広報には、

・アザラマ・クエス

・シルバー・ミューズ

MSCベリッシマ

の3隻が紹介されていた。

 この中でも「ベリッシマ」は17万トン・乗員4,500名の大型客船だそうだ。

 5月に秋田港に立ち寄るとの事なので見に行ってみようと思う。

 乗船できれば良いな。

 因みに「秋田港」とは言っても場所は土崎だ。セリオンのあるところ。つまり「つちざきみなと」。

 土崎は港町らしく「港北」なる地名があるが、これ「こうほく」ではなく「みなときた」と読むそうだ。

 土崎や秋田港の歴史は意外と古く、658年に阿部比羅夫が越国から180隻の水軍を率いて蝦夷地に遠征し、途中で秋田市周辺に立ち寄ったことが「日本書紀」に記されているそうだ。

 また日本海フェリーも出ている。苫小牧まで直通なのだ。

 秋田市は港町の一面も持っている。 

 

6.移住について

 少し前に「福井県池田町」の移住7ヶ条の掟、とかいう物騒なルールが話題になった。

 私も広義の「移住者」の一人だ。妻の実家に引っ越しただけであるが。

 地域を跨ぐ移動の場合、生活の不安はつきものだ。

 当たり前。何の勝手も分かっていないのだから。

 私の場合、出身が大阪であるが故にこちらに知人・友人は殆どいない。

 妻の親戚の方々はとても良くしてくださるが、それにしても地元に話し相手がいないのはちと寂しい。これは本音。

 ただ、まあなんとかやっていけるのではないかと根拠なく考えている。

 あまり深刻に考えても仕方ないし。

 先日、自治総会があった。

 私達は自治会長に呼ばれて、そこで近隣の皆様には挨拶をさせて頂いた。

 妻は義母の名前を紹介し「帰ってきました」と自己紹介した。

 これはGOODな挨拶だと感じた。

 先の移住7ヶ条の中には、

 「どのような地域でも、共同体の中に初顔の方が入ってくれば不安に感じるものであり、どんな人か、何をする人か、どうしてこの街に、と品定めされることは自然です」

 との表現があった。

 私達は品定めされているのだろうか。嫌な表現だ。

 妻は「私、ネイティブですから…」と自己紹介した。

 誰でも色眼鏡で見られて愉快な訳が無い。

 ナイスであった。

 とは言え、妻にとっても秋田は18歳で上京して以来、久し振りに帰ってきた故郷である。

 本人は「ここのこと、私に何でも聞かないでね。分かる訳ないじゃん。」と居直っている。

 まあ、そりゃそうだ。

 実は私達、新参者なのだ。

 

 

秋田リポート

 秋田市に引っ越してから1ヶ月経った。

 今の率直な感想を書き留めておく。

 

1.寒い

 知人・友人からは「当たり前でしょ」と言われている。

 でも本当に寒いのだよ。朝から。

 12月なのに、朝起きたらいきなり3℃とかだよ。とても布団から出れない。

 私はいつもヒートテックを上下で着ている。藤沢市にいた時、2月でもやったことのない完全武装。スキー場にいる時と同レベル。

 先週から風邪もひいている。

 寒いよ、秋田。

 

2.何もない

 住んでいる場所が田んぼの中だから当たり前だが家の周りに何もない。

 人もいない。

 犬・猫も見かけない(近所にいるのはチェック済み)。

 藤沢にいた時には30分の散歩で5匹はワンコに出会ったもの。

 川縁の土手を歩いていても誰ともすれ違わない。

 平和だ。

 静かだ。

 車も通らないので夜は本当にぐっすりと寝れる。

 別に寂しくはない。

 望んでいたこと。

 

3.荒ぶる天気

 天気がしょっちゅう変わる。

 海に近いせいか風が強い。いつも吹いている。

 先週の寒波の際は一晩中風が窓を叩く音がしていた。

 これは結構怖かった。

 先日、大館港沖の洋上風力発電の設備が稼働を始めたそう。来年春には秋田港の設備も稼働するらしい。

 日本での本格的な洋上風力発電設備は秋田沖が初めてだそうだ。

 あまり知られていないが秋田市は風の街だ。

 

4.物価は首都圏よりも高い

 ガソリン高い。

 お酒の安売りはない。

 外食は総じて高くつく。

 野菜は普通。

 お肉も多分普通。

 ガス代、びっくりするほど高い。

 物価は総じて首都圏よりも高く感じる。

 (仕方ないと思ってる)

 

5.車は下駄

 藤沢市はゴミは戸別収集だった。

 しかし私の住む地域は収集所がありゴミは決められた日にそこに出さないといけない。実は埼玉某市も収集所だった。「藤沢市凄い」と今は実感している。

 ここではゴミ袋は市指定のもの。秋田市のゴミ収集は「有料」だ。ゴミ袋自体が有料なのだ。スーパーで売っている。

 藤沢市は分別が無茶苦茶厳しいが収集は無料。埼玉某市はほとんど分別不要で天国だった。秋田市も分別についてはさほど厳しくはない。藤沢市だけが異常だった。

 ゴミ袋はでっかいので車で運ぶ(小さい指定袋もある)。皆さんそうしている。

 「ゴミ出し」が車なのだ。

 ここでは車は必需品だ。

 車がないと何も出来ない。

 よく聞く話であるが地方で車は必須。実感した。

 私は先週、車が無いため昼休みに雪の中セブンイレブンまでお弁当を買いに歩いた。

 往復30分。

 これで風邪をひいた。

 秋田の洗礼…

 

6.秋田走り

 こちらの人の走りは結構荒い。

 道は譲ってもらえない。

 煽られることはないがグズグズしていると強引に抜かれる。

 駅前の広小路を初見で走るのは不可能。新参者は右往左往するが地元民は容赦しない。バンバンに追い抜かれる。これで車同士接触しないのが不思議だ。

 結構怖い。だがこちらではこれが普通なのだろう。

 慣れる必要あり、だ。

 運転は荒いが”人”はどちらかというと穏やかで優しいと思っている。

 

 次回は”いいところ”を10個は書く!

 

 

史上最大の引っ越し(完結編)

 11月末に埼玉某市のアパートを引き揚げ、秋田市に新築した自宅へ引っ越した。これにより単身赴任、夫婦の別居生活は解消である。メデタシ。

 埼玉での居住は、そもそもは私自身が東京勤務を継続するための一時的なもの。

 よって退職するまで最長2〜3年は一人暮らし、妻との別居生活が続くものと覚悟を決めていた。

 だが今般、上司から秋田市での在宅勤務の許可が出たこともあって二重生活は早々に解消することとなった。

 

 東京勤務のためとはいえ実質的にオフィスへの出勤はせいぜい月に1〜2回程度。その目的の大部分はチームメンバとの対面コミュニケーションである。

 会社は具体的にオフィスへの出勤頻度を指定していない。職場の管理に委ねる方針。

 ただし管理職としては、一定期間での対面コミュニケーションを通じて社員の心身でのケアを行わねばならない。私の上司は「通勤の非効率、感染リスクを押してまで出社する必要はない」との方針。

 よって、部下が求めない限り2回/月程度のオフィス出勤を基本としている状況。

 私がベテランということもあり在宅勤務については以前から寛容な姿勢をとってくださっていたのだが、今般、諸般の家庭事情を斟酌頂き、事業部責任者からも遠地での在宅勤務の許可がおりた。

 私自身は既に役職も離れており職務的な責任を負う局面はほぼ無い。会社としても遠地での在勤としても労務管理に憂慮はないと判断したのだと思う。

 とはいえ秋田での在宅勤務を許可してもらったのは幸運である。

 2度目の奇跡が起きた。

 柔軟な対応をしてくれた会社幹部には感謝しかない。

 良い会社なんだろうな。

 

 埼玉から秋田への引っ越しは大きなトラブルもなく無事完了。

 部屋にあった2大家電の冷蔵庫・洗濯機は処分した。

 洗濯機は7Kg容量のこじんまりしたものであったが僅かな料金でリサイクルショップに買い取ってもらった。

 7ヶ月程度しか使っていなくてまだピカピカ。勿体無い気もするが、秋田に運んでも仕方がない。家に洗濯機は2台いらない。

 大型冷蔵庫は長女に譲った。

 0123会社には秋田に荷物を搬送する途中で彼女の自宅に寄ってもらい、そこで冷蔵庫を降ろしセッティングしてもらった。

 追加料金は5500円。安いもんだ。買い取ってもらってもこの程度の値段だった。

 調子の悪い冷蔵庫を使っていた長女にとっては入れ替えの良い機会であったようで大層喜んでもらえた。良かった良かった。

 引っ越し当日は、夕方からの荷物搬出、翌日朝一番での搬入となった。秋田への当日移動は難しいことから荷物受け取りは妻にお願いした。

 私は翌日昼過ぎに秋田に到着。早々に荷物の梱包を解いた。

 丸2日かけて30箱の段ボールを解放。

 部屋の中はまだ雑然としている。

 これから時間をかけて整理して行こうと思っている。

 急ぐ必要はない…。時間はある。

 

 ・・・

 4日目の朝を迎えた。

 役所への転入届けや警察署での免許証の住所変更、銀行口座の住所変更等、諸々の手続きも一部を除きほとんど終えている。

 いよいよ秋田市民としての私の生活が始まった。

 何か不思議な気分だ。

 ここでの生活がまだピンと来ていない。

 

 昨日、ワンコたちの散歩がてら川縁を歩いてみた。

 良い風景だ。

 これが自分の住む街なのか…と思いにふけっている。

 いや街…という感じではないな。

 適当な表現が思い浮かばない。

 これからは秋田の楽しい情報を発信したいと思う。

 

堤防からの景色

朝焼け

 

 

 

 

 

街をもっと綺麗に

 この半年、早朝ウォーキングを日課としている。

 目的はダイエット。

 この3年間、在宅勤務の定着による運動不足からか体重の増加が顕著だった。健康診断での医師の忠告・助言もあり、ある程度のカロリー消費を意識的に行うこととした。

 また、毎朝、嫌な事であるが体重も測っている。

 その結果、ある程度の効果があらわれBMIは26.5から22.6へと減少。「体重を減らす」との目標だけは達成された。

 しかし…健康になったとは言えない。体重が減っただけだ。

 

 さて、毎日あちらこちら歩いていると道端に落ちているゴミはやはり気になるものだ。

 最近よく捨てられているものはマスク。数年前には考えられない事だったはず。

 何でこれを道に捨てるのだろうか。

 使用目的を考えればこれを往来に置き去りにするのは公衆衛生上極めて問題である。いつからこの国の人はこんなに愚かになったのだろう。

 例えれば、自分のケツを拭いたテッシュを道端に捨てるのと同意。不潔極まりない。

 少し前までは朝から行列を作ってまで買い占めしてたくせに…。理解できない。

 あと、マクドナルドの包装袋も良く棄てられている。セブンイレブンではなくマックだ。

 何でマックを食ったらその包装紙を道端に捨てるのだろう?わからん…

 公衆道徳を持ち合わせない人がマックに行くのか…

 そんな事はないと思う。お店で見かける方々の多くはふつーの人達だ。一体どんな人がこれを道に棄てているのだろうか。不思議だ。

 

 そんなことよりも往来に廃棄されているゴミで最も多いのはダントツでタバコの吸い殻。

 ダントツ。

 比類ない。

 歩行喫煙している人を見かける事は珍しくはない。しかしその人が手にしているタバコの99.99%はどこにあるか分からない喫煙所の灰皿ではなく、そのまま道端に捨てられる。

 これは自明だ。皆さんは手に携帯灰皿を持ちながら歩行喫煙をしている紳士・淑女を見たことがあるだろうか?

 私は人生の中で2回見たことがある。とても貴重な経験だ。

 つまり歩行喫煙している輩はほぼ100%確信的に道にゴミを捨てるつもりなのだ。

 これは許し難い。

 しかしあのゴミ排出マシーン達(歩行喫煙者)を止める術はない。後ろから棒で殴るわけにもいかない。

 何をどう説得してしても排出マシーン達が考え・行動を改める事は期待できない。

 

 そこで某マシーンの存在と行動を前提(敢えて容認するもとで)に吸い殻を回収し街をもっと綺麗にする施策を考えた。

 ゴミ排出マシーンとの共存法だ。

 最近、街中でよく見かけるようになった「駐車監視員」という存在がある。

 あれと同じ監視員制度を創設するのだ。

 彼らの任務は大きく3つ。

・歩行喫煙の抑止

・吸い殻ぽい捨て取り締まり(罰金徴収)

・吸い殻の回収

 

 これをタバコ税を財源に行う。

 費用は喫煙者が負担する。当然のことだ。自分たちが道に捨てているゴミを他人に回収して頂くのだ。喫煙者が負担すべきであるのは宇宙の真理であろう。

 大した負担ではない。

 財務省データによれば令和2年度のタバコ税収は1.9兆円。ビックリするくらいの財源がある。ここから回せば良い。

 重要な国庫収入だからこれ以上手をつけたくないと国が考えるのであれば、たばこ税を増税すれば良い。

 マシーン達は死んでもタバコを吸い続けたいので甘んじて増税を受け入れるだろう。

 増税の場合の試算をしてみる。

 上記データによれば、タバコの販売数は年間988億本。49.4億箱。これが基礎数値。

 タバコ監視員は、1万人に1人置くとしたら全国でざっと1.2万人になる。

 (2019年の喫煙率は16.7%なので実質喫煙者は2000万人程度。監視員一人あたり1700人が守備範囲となる)

 首都圏と地方圏では配分に重みをつけるべきであろうが今は試算なので平均値で計算する。

 監視員には下品なマシーン達に注意を与えたり赤切符を切ったり、吸い殻の回収等をして頂くので結構ヘビーな職務だ。日当はある程度の水準であるべきだろう。

 1時間2000円、1日16000円でどうだろうか。1ヶ月フルタイムで48万円になる。

 ちなみに典型的重労働である引っ越しスタッフの日当は3万円弱だ。その約半分の水準である。

 これをもとに年間経費を概算すると、48万円×1.2万人×12ヶ月=691.2億円

 約700億円の予算規模。

 ゴミみたいな数字。予算規模だ。オスプレイ7機分。最新型潜水艦1隻分。

 タバコ税として転嫁すると700億円÷49.4億箱=14.2円

 タバコ1箱換算で460円→480円の値上げで十分。

 監視員を倍の数に増やしても1箱あたり30円の値上げでOK.

 タバコは政治的には1箱1000円までは増税される可能性がある代物だ。

 たかが30円程度の値上げで財源は確保できる。是非税収を街のクリーン化、ゴミ排出マシーン達への牽制として活用して欲しい。

 

 目的?

 単純明瞭。

 私は心ある人が掃除をして綺麗になっている街をわざわざ汚して欲しくないだけだ。

 

 

 

 

なまはげ(続)

www.hamasai.com

 

 「なまはげの国」の追加情報。

 この時、宿泊したのは「旅館浜彩」。ゴジラ岩からすぐ側の海岸線沿いにある旅館だ。

 道路から見た玄関・正面は小振りであるが、建物自体の奥行きはかなり広い。

 この日、9月に入って間もない平日とあって、宿泊客は私たち1組のみ。何と貸切だった。

 大浴場も食事をとった宴会場も私たちだけが独占。いい気分。

 妻は「県民割り」を使ってちゃっかりとクーポン券をゲットしていた。

 夕食・朝食ともに海の幸がふんだんに使われた美しく美味しいものだった。

 宴会場、浴場からは男鹿の海が一望できる。天気が良ければ鳥海山が見えるそうだ。

 お勧めする。

夕食1

別の鉢で運ばれたお刺身

朝食。素朴だがとても美味しい

宴会場からの展望

寒風山の展望台から見た鳥海山

これがババヘラアイス(おまけ)

 ババヘラは男鹿駅そばの道の駅で食べることができる。

 




 

 

なまはげの国

 秋田に帰省したついでに男鹿に行ってきた。久しぶりの訪問だ。

 最初に行ったのは1986年。

 これは明確に覚えている。妻の実家に結納を届けに行った年だからだ。

 一通りの結納儀式を終えた翌日、真冬の大雪の中、1泊2日で旅行をした。

 豪雪の中でも、男鹿行きの電車がたくましく走っていたこと、駅への到着が遅れたため乗り遅れそうになった電車を車掌さんが止めてくれたことには驚いたものだ。  

 2回目は義母がまだ元気な時。妻と義母と私、3人で行った記憶なので86年からそう離れていないと思う。おそらく88年(子供達はまだ生まれていない)。

 今回は3回目だ。ざっと35年ぶり。

 秋田市に新築中の自宅の木工事が完了したため現地での完成確認をした。そのついでに久しぶりの男鹿ツアーをやったのだ。

 出発は秋田市を10時過ぎ。

 1時間程度で男鹿市には入る。

 妻とは特に観光の目的地は定めていなかったのだが、最近有名になった「ゴジラ岩」には行こうと示し合わせていた。30年前にはそのようなスポットはなかったと二人とも記憶している。

 ともかく温泉に入ろうと言うことになり「男鹿温泉郷」を目指す。

 101号線を走っているとそのうちについてしまった。

 日帰り温泉は多くのホテルでやっていると思っていたがどこに行くのが良いのかわからない。そこで「男鹿温泉交流会館」で聞いてみることにした。

 結果としてあちこちで入浴はできるのだが15時ぐらいにならないとオープンしないとのこと。私たちが到着したのは11時過ぎだったのでどこのホテルも浴槽の清掃中ではないかとの事。

 ごもっとも。

 仕方がないので「今すぐ入浴できるところを教えて下さい」とお願いした。

 すると「ここから少し行ったところに町営の温泉があります。そこならいつでもOK。」

 との事。

 そこを目指し早速出発。

 名を「温浴ランドおが」という。

 10分も経たず到着。

 入浴料500円。タオルの貸し出しは200円。確かに温泉でした。

 ただし、ただのお風呂。露天とか岩盤浴などはありません。

 しかし、妻はこれで満足。妻曰く、

 「今晩泊まる旅館は温泉付きじゃないからお昼の間に入っておこうと思っていたの。」

 お風呂場にはレストランが併設されていたが残念ながら休業中。さて、次は食事場所を探すこととなる。

 やはりここからは入道崎が近いのでそこで昼食を取ることにする。

 距離は10Km弱。30分もかからず到着。

 ここは以前にもきたことがある。

 日本海が一望できる絶景の場所。

 妻は以前から日本海の眺望が好きだと言っていた。だが今回は「なんか湘南から見る海を思い出すね」と言っている。郷愁…。

 さて、昼食であるが妻から注意あり。

「今晩の食事は海鮮だから昼はそれを避けること」

 しかし結局、「やっぱここに来ると魚だよね〜!」との2人の結論。

 妻はイカ。私はマグロ。誘惑には勝てなかった。

カマトロ定食

 

 さて出発。

 妻は「鵜の先海岸」と「ゴジラ岩」は行きたいと言っていたのでGO!

 途中、男鹿水族館を通過。

 高台から海を展望。

 海岸線はスラロームが続くが平日なので道は空いており対向車はほとんどない。風光明媚な景色を見ながら快適なドライブが続く。

 やがてゴジラ岩に到着。岩場を少し奥に入ると見えて来る。ゴジラ岩とは言い得て妙だ。

 そこから少し男鹿駅方面に走ると鵜の先海岸がある。

 ここの水はとても綺麗。

引き潮の時がおすすめ

 底まで澄み切っており貝やお魚が泳ぐのが確認できる。

 妻は「ナマコ見つけた!」と叫んでいた。

 側まで寄ってよく見てみるとナマコじゃなくてアメフラシだった。どっちでも良いけど。

 初日はここまで。

 

 さて2日目は寒風山に寄ってから帰ることにした。

 ここからの眺望は素晴らしい。

 回転展望台からは360度のパノラマビューが堪能できる。

展望台(入場料が必要)

火口跡(展望台より)

パノラマモードで撮影(薄っすらと鳥海山が見える)

 北は白神山地、南は鳥海山が展望できる。この日はややシーイングが悪く鳥海山は遠くに薄っすらと見えていた。東側は大潟村(以前の八郎潟)、西側はひたすら海。

 晴天であれば感動的な風景であると想像する(写真では確認済み)。

 

 久しぶりの男鹿。

 風景もお魚料理も素晴らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Volkswagen smallの総括

 UP!に乗り始めてから10年が経つ。

 結果として長い間付き合いとなったが、これまでは新型が出たら乗り換えようとは思っていた。

 しかし、恐らく後継車は出ないものと想像している。

 VWはこの数年の間に全ての車をEV化すると既に発表している。

 UP!は新型のガソリン車としての発売は恐らく予定されてなく、この後は小型のEV車が新しい車名でデビューするのではないかと思っている。

 とすれば、今の車がVWスモールとしては最後のガソリンエンジンになるかも知れない。

 それならそうで、最後までこの子とお付き合いしようという気になっている。

 妻もUP!をたいそう気に入っているので、このまま使い切ってフェードアウトするのが幸せだと思う。

 因みにUP!は秋田に置いて来たので私はここしばらく姿を見てはいない。

 UP!についてはここで総括しておく。

 

1.デザイン

 とてもシンプルで、いいデザインだと思っている。10年経っても全く飽きない。

 フロントの「VW」のマークがデカ過ぎる気もするが、これぐらい目立たせないと道路でも駐車場でも他の車達の中に埋もれてしまうだろう。

 遠くから見てもすぐUP!だと分かるのが良いし、それはとても大事なことだ。

 妻が国産車に代えたがらない大きな理由の一つは、この主張の強いデザインだと思う。

 「日本の小型車ってなんかちゃっちい」

 と私も思ってる。

 

2.ボディ

 小さいが極めて頑丈に作られている。ボディ剛性が高いので、ほどほどスピードを出しても全く不安なく安定して走る。

 私は140Kmくらいまでしか出しことがないが、その時はしっかりと踏ん張って走っていた。お勧めはしないが、それ以上の速度を出したとして安定性が損なわれることはないと思う。

 この国での実用的な速度範囲において、十分過ぎる品質だと言い切れる。

 

3.エンジン

 1ℓ、3気筒、DOHC12バルブのガソリンエンジン。燃料はハイオク指定。

 75PSであるが車重が920Kgと軽量であるためビュ〜ンと加速する。

 モタモタしたところはない。トランスミッションが5速ASGであることも加速の良さに貢献していると思う。

 ただ、変速ショックは大きい。”ガッコン!”と来る。

 日本車とは比較する必要なし。全くもってダメ。

 ただし、これをマニュアルとして操作する選択肢はあり。

 このエンジンは、現行POLOに採用されているものとシリンダブロックは共通。POLOにはターボやインタークーラーがくっ付いているのでこれよりも当然早い。

 乗ったことは無いが、UP!のGTIはバカっ早だと思う。

 

4.タイヤ

 話題になることは無いと思うがこれはトリビア。185/55R15である。

 この小型サイズの車で185は珍しい。さらにはホイールも15インチと大きい。

 高速走行をシレッとこなす理由の一因はこのタイヤであろう。

 この車体サイズとタイヤのバランスは国産車では見られない。

 

5.インテリア

 プアである。

 多分、ずっと国産車しか乗ってこなかった人には、この貧相さは我慢できないだろう。

 ドイツ車だからシートは良いだろう?と思われるかも知れないが、そういうことは私にはよく分からない。国産車と変わらないようだけど…。

 インパネもチープ。

 室内に収納箱が極端に少ない。だから長時間のドライブをすると室内がメチャメチャに散らかる。

 ただ、車のサイズからすると室内スペースは大きく感じる。

 トランクスペースも小さい。この車で夜逃げは不可能。着替えだけしか持ち出せない。

 実用で一番不便なのは荷物をあまり積めない、ってことではないか。

 この車でホームセンターに、鉢植え以外のものを買いに行っても目的は果たせない。

 この車が183万円で買える最大の理由は、ここにお金をかけていないからだ。

 

6.エアコンとナビ

 ふざけんな、バカヤロウの世界である。

 エアコンの吹き出し口がインパネの”上”に切ってある(前面ではない)。

 またインパネ前面にナビを設置するスペースがない。

 なのでエアコンの吹き出し口の手前にホルダの土台を糊付けするしかナビ設置の方法がない。

 そうするとエアコン吹き出し口をナビが塞ぐ形になるので冷風が室内に流れにくい。

 よってこの車、夏は相当に暑い。サイテー。

 スマホホルダもエアコン吹き出し口が前面パネルにないので付けられない。これはデザインの敗北。

 ドイツ人は恐らく車の中でスマホとエアコンを使わないのだろう。

 一方でヒーターが前席の両シートとドアミラーに標準で付いている。

 東北地方ではこれは便利だ。

 だが、秋田生まれの妻はこの機能を使わない。

 

7.使い勝手

 120点。

 狭い所で軽自動車に乗ってる人と同じことが出来る。

 妻であっても車の四隅を擦ったことがほとんどない(1回だけ。油断した、と言ってた)。

 この車の最大の美点と言える。

 

8.走り

 この車、東北自動車道よりも首都高速を走ったほうが楽しい。

 キビキビ走る、との表現がピッタリ。私はとても良いと思ってる。

 

9.燃費

 街乗りだと13〜17Km/ℓ。

 高速道路だと20Km/ℓ以上は確実に走る。

 よって燃費については100点だと言える。ただしハイオク指定。

 笑っちゃうんだが、燃料タンクは35ℓしか入らない。

 でも満タンにすれば、東京から秋田までは無給油でいける。これは事実。

 これまでGSで5000円以上払ったことはない。

 

10.静粛性

 50Km/hまでは相当にうるさい。

 しかし、それ以降もうるさい。

 エンジン回転が3000rpmを越えるとうるさい。でも超えなくてもやはりうるさい。

 UP!のエンジンはうるさい。

 

11.維持費

 結論から言うと国産よりは割高かも知れないが「バカ高」ではない。「外国車は維持費が高い」は昭和の伝説になりつつある。

 払ってる税金のことを考慮すると我々の敵はメーカーではなく国である。

 ちなみにVWのサポートは「素晴らしい」。

 

12.VWという会社

 世界最大級の自動車会社になってもうた。

 若い頃からゴルフに乗るのが夢だったがどうやらそれは”ない”ようだ。

 しかし、VWという会社、そのプロダクトを知るには十分な10年間だったと思ってる。

 UP!は良い車だ。

 2012年4月に長谷部を応援にドイツに渡ったのが全てのきっかけ。

 彼は今でもその国にいる。現役選手で。

 VWは私たち夫婦に色んな思い出を与えてくれた会社だ。

 

今時の警察仕事…

 引っ越してからまだ間もないが生活は落ち着いてきた。

 やっと日常は落ち着いてきたものの、たまたま今年は免許証更新の年。8月が誕生月なので先日お約束の免許更新ハガキが到着した。

 役所関係の手続きはやはり面倒。

 ともかく、やたらと混んでいて時間がかかる。

 あ〜あ、面倒、という気持ちである。

 億劫ではあったが、つべこべ言っていても仕方がないので、ともかく更新手続きのハガキを持って地元の警察署に行った。

 平日であったためか、署内にそんなに人はいない。混雑はない。

 入り口正面にコンシェルジェと思しき受付があるのだが、そこに座っているのがボテッとしたいかにも怖そうなおじさんなもんだから笑ってしまう。

 あれじゃ、誰も気軽にものごと聞けない…

 

 さて、署内に入ると「免許更新は①窓口へ」と標識が出ている。

 さっそく更新ハガキを持って①窓口に行く。

 窓口のおねえさん(どう見ても警官ではない。制服着てないし…)が「この書類に必要事項を書いて下さい。書いたら②窓口に提出して下さい」とのこと。

 書類に記入する項目は氏名、生年月日、暗証番号だけ。

 住所すら不要。こんだけ?

 コンシェルジェ席にいたおじさんが「暗証番号ちゃんと書いてね。書かないと戻されちゃうよ!」と私を含めた更新者に声掛けをしてくれている。

 一見怖そうだが、どうやらいい人みたいだ。笑っちゃう。

 ②番窓口に書類を提出。

 そこで更新料3300円を支払う。

 「安全協会へ加入されますか?」と優しく誘われるが「NO!」と即答。

 おねえさんは収入印紙を素早く貼ってくれる。

 「これを①番窓口へ提出して下さい」と言われる。

 ①番窓口へ行き書類を提出。

 即座に「視力検査をします。これを見て返答して下さい。」

 言われた通り顕微鏡みたいなスコープを覗く。

 例の "C" がどっちを向いているかを答える(計4回)。

 「はい、OKで〜す。次に呼ばれるまで少しお待ち下さい。」

 椅子に座って待っていたらほんの数分(多分1〜2分)で「ゆずさん、こちらへ!③番窓口です」と呼ばれる。

 ③番に行くとそこで写真撮影。

 「あごを引いて下さい。パチッ!はい!OKです。」

 この写真撮ってる人、警官なんだろうか?と素朴な疑問が浮かぶ…

 「はい、これで手続きは終わりです。次は講習を受けていただきますので番号を呼ばれるまでしばらくお待ちください。」

 私はその辺りのソファーに座った。

 さて、呼ばれるまで新聞でも読むか。NIKKEIサイトをアクセスしていたら「ゆずさん!こちらへ」と即呼び出しを受ける。

 「えっ!もう?」

 私はそそくさと呼ばれる方向に走った。

 担当の方が笑いながら「ああ、急がなくて結構ですよ」と言っている。

 なんと、ここまでが15分。

 !

 15分!

 どんだけ早いの!

 そこから60分間の講習を受講。

 これ、違反がなければ30分で終わる。

 私は昨秋、秋田に帰った際、後席にいた叔母がシートベルトをしていなかったため反則切符を秋田県警から頂いているため反則歴あり。よって講習は60分。

 9時45分頃に警察署に入ったと思うが11時には全ての手続きが終了。更には免許証は即日交付だ。

 圧巻。

 藤沢では免許交付は更新手続きの1ヶ月後だ。それも写真は持参しなくてはならない。

 なに?この差…。

 ゴミの出し方からしてそうだが、埼玉、優しすぎる。

 おまわりさん、これからもよろしく。

 

 

 

 

 

マイナカードの利便性

 マイナンバーカードのポイント還元第2弾が始まったとのこと。

 私は昨年の秋にカードを作成している。

 今年に入って妻と義母も作成した。

 妻と義母は近所のイトーヨーカドー藤沢市役所の特設コーナーが設置されたため、そこで作成したとのこと。これはなかなか良いアイデアだと思う。

 市民に「それじゃあ作ってみよう」と思わせるきっかけ作りは大切だ。

 さて、第1弾のポイント還元はいささか面倒であった。

 カードさえ作れば5000円もらえると思って喜び勇んでシニアnanakoカードを作りセブン端末で手続きをとったのであるが、一向に振り込まれる気配がない。

 まあ、こんなことでいちいち行政に問い合わせをするのも面倒臭い。

 国に釣られたかなと諦め放っておいた。

 妻には「何かよくわかんないけどポイント入んないよ」とだけ言ってあったのだが、ある日いきなりマイナカードを出せと言われた。

「ほい、中何も入ってないよ。」

「あと2万円ちょうだい。マイナポイントをゲットしてきてあげる。」

「何で2万円もかかるの?」

「うるさいわね。黙ってだしな!」

 私はいう通りにした。

 数日後、妻が言った。

「ヨーカドーに行って端末で残高確認しておいで。ポイントが入ってるはずだよ。」

「?」

 妻の言う通りにヨーカドーに行ってセブン端末にnanakoをかざしてみた。

 何と25000円になっていた!

 家に帰り妻に簡単なお礼と結果報告。

「どういう仕掛け?」

「私も知らなかったけど面倒な仕組みになってるのよ。サービスカウンターの人にポイント還元の端末操作方法を聞いていたら仕掛けが分かったの。」

「へえ〜、何やったのか知らないけど助かった。ところで2万円返して。」

「ない!」

「えっ、使っちゃったの?別に良いけど。」

「nanakoの中に入ってるからそれを使って。それ、もう現金で下ろせないから。」

 妻は笑っていた。

 どうやら、単純に5000円がnanakoにチャージされる訳ではないらしい。

 カード残高の25%、最大5000円までが還元される仕掛けだったのだ。

 だったら最初からそう言えよ!と思ったが多分最初からそういう事だったのだろう。

 でも、ヨーカドーの人も「わかりにくいですよね。」と妻には言ったそうだ。

 でも、あれやこれやで私たち3人は無事トータルで15000円分のポイントを国から頂くことが出来た。まあ、これはこれで得した気分ではある。

 そして、昨日から第2弾が始まった。

 今回は事前にチャージしてなくても良いそうだ。今度、セブンイレブンに寄ることがあったら端末で手続きしようと思う。

 でも、健康保険証としてはまだ使えない病院も多いそう。恐らく私が通い始めた医院も使えないと思う。

 別に良いけど。

 

 さて、そのマイナンバーカードである。

 果たして利便性についてはどうなのか?わざわざ作る価値があるのだろうか?

 私はたまたま最近引越しをしたのでマイナンバーカードを使う機会があった。

 これによって手続きとして簡単になったこと。

・転出証明書が不要(マイナカードで代用)

・年金関連の住所変更は不要。年金システムとデータ連携してるため

・マイナカードに刻印されている住所は役所で変更してくれる(別の場所に刻印)

・運転免許証の住所変更の際、本人証明としてマイナカードが使える。マイナカードを持っていない場合、新住所を期した何らかの証明書が必要。通常は住民登録票を転入届と同時に発行してもらうことになると思う。

 

 まあ、この程度のメリットかな。

 一方、デメリットとは言えないが、転出・転入時に役所で届け出用紙を何枚も書かければならないのは同じ。マイナカードの暗証番号もちゃんと覚えていないとダメ。

 役所での手続き(待ち)時間は1時間弱だった。警察署での免許証の住所変更は30分程度で完了。どちらも思っていたよりはスムーズだった。

 実はこれ以外に義母の介護保険証の変更には凄まじく時間がかかっている(妻が手続きをしているが完了までおよそ1ヶ月以上を要している)。転出元と転入先で担当者が直接やり取りをやっているようだ。

 事情は分からないがこの分野はまだITではやり切れない未開部分が残っているみたい。

 ご存知のように介護保険は各自治体で管掌しているので、市町村を跨ぐのは制度を跨ぐのと同じだ。色々と手続きが発生するのは止むを得ない。

 国は全国民にマイナカードを持ってもらうために涙ぐましい努力をしているが、その普及率は未だ 44.7% (6/1現在)とのこと。

 理由は簡単。

 メリットが感じられないからだろう。

 

 

 

 

 

秋田のTopics 10

1.美人

 佐々木希さんが美人であることは間違いない。でも、いわゆる「秋田美人」の代表格かというとどうなのだろうか。

 色白、細面のすらっとした和服の似合いそうな人。

 秋田市内ではそんな感じの人をよく見かける。

 私の独断であるが、昔の人は桜田淳子さんのような容姿の女性を「秋田美人」と表現したのではないかと思っている。

 因みに淳子さんのお母様も綺麗な人だと地元(新屋)の人たちは言っている

 妻の従姉妹には佐々木希さんに負けない美人がいる。

 

2.米所

 秋田空港から彼女の実家までは車で30分程度。この間、信号は小学校の前の1箇所だけ。それも押しボタン式。田舎。

 冬にこの道を走ると雪の積もった平原が山の麓まで延々と繋がっている。まるで地平線の向こうまで一面雪に埋れているようだ。

 最初にこの風景を見たとき「すごい真っ平らだけど、この下って何があるの?雪が溶けたら何が見えるの?」と聞いた。見たこともない平原に見えたから。

 「えっ?田んぼ…」

 考えてみればアホみたいな質問をしたものだ。

 でも何の障害物、建物もなく延々と雪の平面が拡がっている風景は、私にとっては相当の驚きだった(尋常な広さではない)。

 ここで取れるコメは最高に美味しい。

 「あきたこまち」が有名ブランドであるが「水晶米」でも十分に美味しい。

 この豊かな大地で育ったお米から作られるお味噌とお酒も最高に美味しい。

 冬の4ヶ月間、この地域に降る雪は現地の人たちに忍耐を求めるが、その後の雪解けは芳醇なお米ファミリーをもたらしてくれる。まるでそのために冬があるみたい。

 

3.女子校

 妻は秋田市にある女子校の出身だ。

 名を言えば知らない人がいない、ある意味では有名校らしい。

 「お嬢様学校」という人もいる。

 妻はお嬢様ではない。ごくフツーの家庭の女子だ。

 その女子校はミッションスクールで先生は皆シスターだと言っていた。

 シスターが頭に被っているあの布切れ(ウィンプルっていうらしい)を触ったり、スカートをまくったりしたら一発退場になるという。

 毎週月曜にはミサらしきものがあったとか。

 しかし、妻はクリスチャンには見えない。

 「も〜ろびと〜の…」とかいう鼻歌を歌ったり「天に召します我らの父よ」とか冗談言ったりする時があるが。

 学校は修道院みたいに厳粛で厳かなところなのかと思ったりしたが、そうでもないと彼女は言っていた。

 あと長女には「女子校はやめときな。女だけの世界は良くない」と教えていた。

 一体どんなところだったのだろうか。興味はある。

 

 「何でまた、ミッションスクールにしたのか?」と理由を聞いてみたことがある。

 「宗教に興味はない。単に制服が可愛かったの!」

 やはり、お嬢様じゃなかったし敬虔なクリスチャンでもなかった。

 

4.お土産

 お土産のNO.1は「金萬」だろう。決してハタハタパイではないと思う。

 稲庭うどん、オランダ煎餅もいい。

 最近は「横手やきそば」も人気のようだ。

 お酒は「高清水」が超有名だが東京でも買えるので除外。

 きりたんぽ、いぶりがっこも捨て難い。

 私が自分用に必ず買って帰るのは「しとぎ豆がき」。

 秋田駅まで行かなくても「まるごと市場」で買える。

 

5.伝統行事

 今年、3年ぶりに竿燈祭りが行われるとのこと。

 実は私は見たことがない。

 そう言ったら妻も娘も「?」「何で見たことないの?」「意外〜。」

 「だって、あれやるの毎年8月第1週でしょ?俺が行けるわけないじゃん。」

 「そっか〜、お盆じゃないもんね」

 ということで今年見に行こうと思う。

 

 それから有名なのはナマハゲ。

 あれ、鬼ではなく「神の使い」らしい。

 包丁持ってるけど…

 「グワグワ」叫びながら「泣ぐご、いね〜か!」って、あれ見て泣かない子供はいないと思う。大人が見ても相当怖い。

 ナマハゲは村(町)の主に青年団がやるらしく、青年が減っている秋田では実は存続の危機らしい。

 ナマハゲとは縁起物で、玄関まで来たら家の中に招き入れ、お酒を振舞ったりご祝儀を渡したりするとのこと。

 大歓迎されるので中の人は役得ではあるが下戸がやると相当にキツイらしい。

 因みに男鹿半島が発祥地であり秋田じゅうでやっている訳ではなさそう。

 これは秋田のそこら中にかまくらがある訳ではないのと同じ。

 かまくらは「横手」がメッカ。ここは豪雪地帯だ。

 忠犬ハチ公は「大館」

 

 6.ヒーロー

 超神「ネイガー」というご当地ヒーローがいる。

 ぱっと見はメタルヒーローなのだが、イセキの早苗に乗って田植えをしていることもある。

 かなりの博識でTwitterで色んな事を呟いている。

 私のお気に入りである。

 

7.殿

 殿と言えば地元では「佐竹」氏のこと。

 現秋田県知事である。

 プーチンと仲が良いのは有名だが、この話題にはしばらく触れないことにする。

 佐竹家御用達で有名なのは龍角散

 ザギトワさんとマサルは今どうしているのだろう。

 

8.有名人

 あまりいない。

 やっぱり柳葉敏郎

 彼が一世風靡ホコ天で踊っていた)をやっている頃、妻は原宿まで追っかけたことがあるそうだ。ついでにアルフィーの高見沢さんのお宅も見に行ったそう。ミーハーだ。

 前総理も話題にしたくない。

 あと落合博満。彼は偉大な野球人。

 テポドンが秋田上空を通過した際、県庁職員の様子がTVに流れたが、あそこに写っていた女性は妻の友人だそうだ。妻の友人界隈では有名人。

 

 多分一番の有名人は小野小町だろう。

 

9.メロンとババヘラ・アイス

 秋田がメロンの産地であることはあまり知られていないのではないだろうか。

 八竜メロン。

 秋田に帰省した際は車を走らせてよく買いに行った。藤沢の知人へのお土産にすると大層喜ばれる。

 市内からは少し距離がある。

 今は秋田道が開通しているので以前よりは抜群にアクセスが良くなった。

 ただし、地べたを走った方がババヘラに会える機会はある。

 7号線から少し外れた田んぼ道でババヘラのパラソルを見かけることがよくある。

 

10.セリオンと吉田輝星

 セリオンはうどんの自動販売機で有名になった。

 妻はその販売機のことを知らなかったようで、先日行った際はわざわざ並んでいた。

 あの販売機、一定数のうどんを出すと中のお湯が無くなる。

 そうするとマシーンは停止。

お湯がなくって停止

 どこからかおじさんがやって来てドアを開いてヤカンでお湯を足す。

 そうすると20分程度でまたマシーンは再起動する、というプロセスになっている。

 だったら最初からカップ麺の蓋を剥がして、そのままヤカンの中のお湯を注いでしまえば良いじゃん、と思ったのだがそんなことをする客はいなかった(おじさんはそれでも良いと言っていたが)。皆おとなしく並んでいらっしゃった。

 このセリオンはポートタワーだ。土崎港に面して立っている。高さ100m。

 このタワーの3Fには日本ハムに入団した吉田輝星さんのサイン第1号がある。

 展望台のガラスに直に書いてあるのだ。

サイン1号

 3Fといってもほぼ地上100mの場所である。

 ここからの景色は明媚だ。男鹿半島まで見渡せる。

 地元では吉田輝星さんはヒーローである。

 先日、こまちスタジアムで凱旋試合をしたそうである。

 ついこの間、ブルーインパルスもセリオン上空を飛んだそうだ。

 妻に教えてあげれば良かった。

 

セリオン

土崎港

 

 

 

秋田って

 妻と知り合ったのは会社に入って2年目だったから、付き合いは会社人生とほぼ同じ期間だ。

 彼女は小柄で綺麗な長い黒髪の女性だった。

 私はロン毛が好きだ。

 ショートには興味がないのかと言われれば困るが、以前から髪の長い女性が好きだった。

 妻の前に付き合っていた彼女も素敵な長い髪をしていた。私の好みに合わせていてくれたかもしれない。

 妻は一時期、ショートにしていた時期もある。ポリシーが無いがあれはあれで良かった。

 本人は当時「いい加減、長い髪の毛はうっとおしい!」と言っていた。

 何故女性が髪の毛を伸ばすのかは謎であるが、切ってしまう動機が「洗うのがめんどくさい!」との理由であればそれは理解できる。失礼。

 その彼女が秋田出身であると聞いた最初の印象は「随分と遠くから出てきたんだなぁ」だ。

 間抜けで大きなお世話な発想だ。

 遠いと言っても飛行機なら東京〜秋田は1時間だ。

 大阪までは当時新幹線で3時間。浪速の方がよっぽど遠い。

 秋田か…

 桜田淳子。雪国。米所。日本のかなり北側。八郎潟

 私の当時の印象である。

 秋田美人という言葉は聞いたことはあった。

 しかし、彼女を見てそれは連想できなかった(これは内緒)。

 秋田に初めて行ったのは86年2月。結納を持っていくためだった。

 大雪の降る中、秋田空港に着地した。

 事前に彼女の親戚から「こっちが初めての人は大概、空港の玄関口を出た瞬間、雪に滑って転ぶ。気をつけて!」と言われていたがその理由は実感できた。これは危ない。

 空港には彼女の従姉妹がわざわざ車で迎えにきてくれていた。

 彼女との付き合いは今も続いている。すごく世話になっている。恐らく今後もそうだと思う。

 実家では叔父さん・叔母さん達が私を迎えて下さった。

 その日の宴席は真夜中まで続いた。こんなことやってるから秋田の男は早死にするんだと今は思ってる…というかこれはほぼ事実だ。

 彼女の母(今では義母にあたる)は、この日の宴席のために山菜を用意してくれていた。今考えるとこれは最高のご馳走だった。究極のおもてなし。忘れない。

 あの時、夜中まで私を追い回して「まだ飲める!」と言っていた叔父たちはもう今はいない。皆さん鬼籍に入った。楽しい思い出だ。感謝してます。

 彼女と結婚できて良かった。

 

 秋田はいわゆる田舎だと思う。良し悪しの問題ではなく。

 私は好きです。

 妻は「閉鎖的でXXXっていうところなんか最悪!」とか言っている。

 多分、彼女のいう通りなんだろう。

 でもあの大自然で人生を終えることは楽しみでもある。

 

 

 

 

史上最大の引越し2

 自宅の売買契約は順調に進み1月末には調印を終えた。

 私たちは、秋田に建てる新居の設計と仮住まいの物件探しを並行して進めた。

 自宅からの撤収は買い主さんと交渉し、引越しシーズンを避けて4月末としてもらった。

 本来は速やかに引き渡しを行うべきであるが、仮住まいも決まっていないので、可能な限り時間的余裕を確保しておきたかったことから3ヶ月程度の猶予を頂くことにした。

 

 秋田の仮住まいは、なかなか決まらなかった。

 秋田の親戚の中には空き部屋があるので使っていいとの申し出をして下さる方もいた。

 しかし、ペットは…NG。

 親戚と同居するにしても賃貸物件を探すにしても、どうしても最後はイヌ・ネコの扱いがネックになってしまっていた。

 あれやこれややっているうちに3月になったが、まだ仮住まいは決まらない。

 妻は高校時代の複数の同級生にワンコとネコを別々に預かってもらう算段を始めた。

 私は埼玉にペットOKの物件を探しそこに転居することにした。出来れば妻とともに秋田に行きたいが東京での仕事があるためそうもいかない。

 私の受け持ちは少なくともネコちゃん2匹。そこで「剣心」と母親の「絢子」を連れて行くことにした。絢子は私のことが嫌いだが仕方がない(理由なくネコパンチを何回も受けている)。親子でセットだ。

 しかし、埼玉の物件探しも難航。ネコ1匹はOKでも2匹となるとこれがなかなか物件が見つからない。

 何とも理不尽で不便な世の中。

 4月に入った。

 1番のデカブツ家具である桐の和箪笥(嫁入り道具)とドレッサー、ピアノは、秋田の親戚宅で預かってもらうことになった。

 4月第1週にこれらは0123と呼ばれる引越し業者により秋田に向け運び出された。

 この段階でも妻とペットたちの行き先は決まっていない。

 妻は私に「"ペット無し" でいいから先に住居を見つけて」と言う。「私たちは何とかするからとにかくあなたから。でなきゃ何も決まらないもの。」

 私は埼玉某所の3DKのアパートを住居に決めた。一人で住むには十分な物件だ。

 

 そして4月第2週に奇跡が起きる。

 妻の友人から、実家が空いているので使っていいとの提案があった。

 昨年の年末まで父親が住んでいたが、今は彼女が引き取って同居しているので空き家になっている。どうせ空き家だから使って良いとの事。

 さらに実家には今後も住む予定がなく、かといって売りに出す気もないので、イヌ・ネコを連れてきてもらって構わない、と言って下さっているのだ。

 望外の提案。

 私たちの深刻な問題は一挙に解決した。

 今でも信じられない事だ。

 この1件で、妻の友人は同窓生の人たちから "神" と呼ばれているそうだ。

 神友達。

 

 4月15日、秋田のハウスメーカーとの打ち合わせのため車で秋田へ出発。今回妻は連れて行かない。行けない。自宅に残り引越し準備に専念する。

 4月16日、現地でハウスメーカーと打ち合わせ。打ち合わせ終了後、妻の友人宅(空き家になっている実家)を見に行く。

 外から見ただけであるが結構大きい。部屋数も多そうだ。これなら相当数の荷物を送っても大丈夫そうだ。

 4月17日、藤沢に帰還。妻に友人宅の状況を報告。

 引越しまであと1週間。0123会社からは120個のダンボールが届けられた。

 

 4月25日、引越しを開始。トラックは埼玉便と秋田便の2台。

 ワンコはとりあえずドッグトレーナーに預ける。

 ネコは2階にネコ部屋を作りそこに収納。明後日、迎えに来るまでここで我慢してもらう。

 4月26日、埼玉便の搬入開始。0123のお兄さんのテキパキとしたお仕事により2時間程度で完了。運び入れたダンボールは31個。あと台所にあった冷蔵庫は私が引き取った。

 一人暮らしになる私に大きな冷蔵庫は必要ないが、それは妻も同じ事。妻は2階にあったやや小振りの冷蔵庫を秋田に持っていった。

 新居が完成したらこれに替えて新しいものを購入するらしい。

 今、私の部屋には単身者に似合わない立派な冷蔵庫が置いてある。

 4月27日、早朝に藤沢の自宅にネコを迎えに行く。4匹は「私たちを閉じ込めてどこに行っていた」とニャーニャー文句を言っているが元気。良かった。

 そのまま、車で秋田へ直行。あちこち寄ったりしたので到着は20時少し前だった。

 4月28日、秋田便の搬入開始。ここでも0123スタッフの良い仕事により数時間で作業完了。運び込んだ荷物は93個口。

 妻の友人の実家は豪邸だった。中庭付きの6K。

 神。

 5月1日、秋田から藤沢へGo。ワンコたちを迎えに行く。夕方、藤沢に到着。この日は相鉄フレッサインに宿泊。これで湘南台ともお別れ。

 5月2日、朝一でドッグトレーナーさんからワンコを引き取りそのまま秋田へ向けてGo。ワンコたちに「お前たちは今日から秋田犬になるんだよ」と伝える。夜到着。

 5月3日、妻とイヌ・ネコを秋田に残し、私は秋田新幹線で大宮を目指す。

 先日の地震の影響で、こまち号は普段よりもゆっくりと走った。

 昼前に自宅に到着。

 ここで新たな一人生活を始める。

 妻の元へ行くのは果たしていつになるのやら…。

 

 この1ヶ月間、引越しに関連する移動距離は約3300Km。

 私たちにとって、まさに史上最大の引越しであった。